Salesforceは米国時間1月14日、「Commerce Cloud」の機能を順次拡張していくアップデート計画を発表した。Commerce CloudはDemandwareの買収から生まれたプラットフォームであり、同社の顧客ベースだった中核の小売業者をターゲットとして2016年9月にリリースされたサービスだ。
なお、28億ドルを投じたDemandwareの買収は、同年6月に発表されていた。
Salesforceは新機能の追加によって、人工知能(AI)を活用したパーソナライゼーション機能を向上させるとともに、同プラットフォーム上での開発を支援するためのツール群を追加する。
目玉となるアップデートとして「Commerce Cloud Einstein Visual Search」機能の追加がある。この画像検索機能はプラットフォームに統合されたかたちで提供され、これによって買い物客は、テキストではなく画像を使って商品を「撮影、検索」できるようになる。また、新たに提供される「Commerce Cloud Einstein Recommendations API」によって、小売業者は「Einstein」を活用した製品レコメンデーションを、自社のEコマースサイトの枠を越えて統合できるようになる。
さらにSalesforceは、在庫関連サービスの刷新も計画している。これにより小売業者は店舗や配送センター全体の在庫情報をリアルタイムで取り扱えるようになる。その他のサービスと組み合わせることができる同社の在庫関連サービスは、改良されたレコメンデーションエンジンとも緊密に連携可能になる。
例えば、アプリ内からAIを活用したレコメンデーションが可能になることで、顧客のクリック経路や好みから、「Instagram」や「Uber」といった位置情報を活用したアプリで、近くに在庫がある製品を表示できるようになる。Commerce Cloud担当の最高経営責任者(CEO)Mike Micucci氏によると、小売業者はCommerce Cloudを利用することで、テクニカルサポートをほとんど必要とせずにこういった機能を実現できるようになるという。
また同社は開発者向けとして、「On-demand Developer Sandboxes」を展開していく。開発者はこのサンドボックスを用いることで、生産性を向上し、テストやデプロイのプロセスにさらなる一貫性をもたらせるようになる。また、「Commerce Cloud Developer Trailhead」の新たなトレイルと、「Commerce API Explorer」ポータルも用意する。
なお、Einstein Visual Searchは現在パイロット段階であり、2019年後半に一般提供が開始される。また、On-demand Developer Sandboxesは現在ベータ段階であり、2019年前半に一般提供が開始される。Einstein Recommendations APIも現在ベータ段階だが、一般提供開始の時期はまだ明らかにされていない。「High-Scale Inventory Availability Service」は2019年第1四半期にパイロット段階に入る一方、「Commerce Cloud Open Commerce API(OCAPI) Explorer」ポータルは同日より一般提供が開始されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。