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職場のIT環境、どう思う?--20代若手社員の生の声(後編)

大場みのり (編集部)

2019-05-06 07:00

 前編では、広告会社に勤める女性のケースを紹介。スケジュールをウェブで共有せず自分の手帳だけで管理する上司や、「若い人は皆、ITに強い」という誤解が存在すると分かった。後編ではメガバンクで一般職として働く女性の意見を紹介する。

 「IT化した方がいい業務が山ほどある。パンフレットの作成、申込書の処理、顧客の本人確認とか」と彼女は語る。パンフレットに関しては、本社が作成したものを毎朝印刷し、顧客に配布しているという。毎日の製本業務は非常に負担であり、渡された顧客も大半は迷惑そうにしているため「情報が必要な人は、スマホなどでQRコードを読み取ってもらう」といった形にしてほしいと話す。

 彼女の同期や後輩も同じように感じており、仕事終わりなどに愚痴として話しているそうだ。一方、同じ業務を担当する先輩社員にはIT活用について聞いたことがなく、先輩たちがどう思っているのかは分からないという。「この手の話は『それを言っちゃあ・・・』というものだから、なかなか聞けない」と彼女は話す。

 提案はできるのかと彼女に尋ねたところ「できないことはないだろうけど、会社の規模が大きいことに加えて、業界柄『とりあえずやってみる』ということは避ける傾向があるから、労力とリスクを考えて実現はしないと思う。あと、仕事環境について提案するような人はいないから、そんなことをしたら目立ってしょうがない」という答えが返ってきた。

 パンフレットのエピソードから、社内の業務をデジタル化しないことにより、定型業務を担う一般職社員の負担が減らないと思われる。また、提案する機会がないということ以外に「悪目立ちする」という懸念も業務改善での意見の反映を阻む壁になりそうだ。

 今回の取材を通して、「特に思い当たらない。上司の方がITを使いこなしている」といった意見がある一方、IT分野に関する上司とのジェネレーションギャップや、社内のIT環境における課題をかなり感じている若手社員も存在すると分かった。そして課題を感じている若手は、ただ不満を並べるだけではなく、電話会議システムやQRコードなどの活用といった代替案も考えていた。

 取材に応じてくれた彼女たちは特別ITに詳しい訳ではないそうだが、消費者として日常的にITサービスに触れる中で、こうしたアイデアが思いつくようになったようだ。それにもかかわらず、「誰に提案すればいいのか分からない」あるいは「言っても無駄」「目立ってしょうがない」という理由から、提案に至っていないのは残念である。このことからも企業は、若手社員がオフィスのIT環境について気軽に提案できる仕組みを作るべきだと感じる。また、若手社員はもちろん、社内システムに対応しきれていないベテラン社員の本音も聞けたらいいだろう。「恥ずかしい」といった理由で難しいなら、匿名で意見を挙げられる社内サービスを整備してもいいかもしれない。

 システムの未導入や個人的な対応の遅れ、勝手な思い込みなどは、若手とベテランの双方にとって良くない。結果として、若手は自身が担当する業務の負担が減らず、ベテランは若手と十分な信頼関係が築けないからだ。職場のIT環境がきっかけで、職場に不和が生じてしまうのはもったいない。人間関係を良好に保つためにも、若手とベテランが意見を交わし、提案を反映できる環境の整備を検討してはいかがだろうか。

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