Cisco Systemsが、会議内容のリアルタイムでの文字起こしや、音声による検索、要点の整理を行うツールの提供を手がける企業Voiceaを買収する意向を明らかにした。コラボレーションプラットフォーム「Cisco Webex」の強化を目指す。

Webexは、Blue Jeans Network(「BlueJeans」)からMicrosoft、LogMeIn(「GoToMeeting」)、評価の高いコラボレーションツールを擁するZoom Video Communicationsに至るまでのさまざまな企業がしのぎを削る分野で戦っている。Webexは毎月1億3000万人以上のユーザーによって使用されている。
CiscoはVoiceaの買収が、Webexに対する「Ciscoによる継続的なコミットメントのさらなる証だ」と述べている。CiscoはVoiceaのテクノロジーを活用することで、デジタルな会議のメモやインサイトを提供し、「会話を行動に変える」ようなサービスを実現する計画だ。Ciscoは以前に、GV(旧「Google Ventures」)やWorkday Venturesをはじめとするテクノロジー企業とともにVoiceaの資金調達ラウンドに参加している。
多くの会議で誰かがメモをとっている現状を考えると、今回の買収はWebexの差別化につながる可能性がある。文字起こし機能を用いることで、企業はアナリティクスを実行し、影響を洗い出したり、従業員の参加率など把握できるようになるかもしれない。
Voiceaは「Enterprise Voice Assistant」(EVA)という人工知能(AI)を利用するトランスクリプションサービスを手がけている。EVAはコマンドを受け取るとともに、メモを取り、まとめに使える重要なポイントを抽出できる。Ciscoは同社のブログで、従業員を会議に集中させたりできるほか、文字による記録を残すことが可能であり、情報に取り残される恐れ(FOMO:Fear Of Missing Out)を低減する手段としてVoiceaを紹介している。また、このアシスタントは企業独自の文化や用語を理解できるようにするパーソナライゼーション機能も搭載しているという。
買収はCiscoの2020会計年度第1四半期中に完了する見通しだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。