Microsoftは近年、Linuxやオープンソースに大変な親愛の情を示しているが、同社のコラボレーションツールである「Microsoft Teams」には、まだLinux用クライアントがない。このため、多くの開発者はブラウザ版を使わざるを得ない状況に置かれている。
Windows用、Mac用、iOS用、Android用のTeamsクライアントはすでに存在する。しかし、以前よりLinuxユーザーからの要望があるにも関わらず、Linux用のTeamsクライアントはまだリリースされていない。
多くのLinuxユーザーが指摘している通り、対抗するチャットサービスである「Slack」にはLinux用のクライアントが存在しており、開発者やDevOpsチームにとって、このことは大きな差別化要因になっている。Linuxユーザーもブラウザ版のTeamsは使えるが、専用クライアントがあれば、アプリ内の通知も受け取ることができ、ブラウザ版のTeamsにWindows版と同じ機能を持たせるために必要な作業も不要になる。
ところが、Microsoftが近くLinux用クライアントをリリースする可能性が出てきた。Windows Centralで報じられた記事によれば、あるツイッターユーザー(@unixterminal)はLinux用Teamsクライアントのリポジトリを発見したという(ただし、そのリポジトリは空だった)。さらに希望が持てるのは、Alexと名乗るTeamsのエンジニアが、ユーザーからのフィードバックを集めるフォーラム「Microsoft Teams UserVoice」に最近した投稿したコメントで、Microsoftが要望に応えようとしていることを示唆したことだろう。
Alex氏のコメントは、Teamsが発表された頃に作成された「Linux用クライアント」と題するスレッドに投稿されたものだ。このスレッドには現時点で8700件を超える投票があり、1100件以上のコメントがついている。その多くが、MicrosoftにLinuxの穴を埋めるよう求めるものだ。
現在このリクエストは、「どうすればMicrosoft Teamsを改善できるか」という質問に対する回答の中で、未対応のものとしては2番目に投票数が多い要望になっている。
Alex氏の投稿は、MicrosoftはTeamsを誰もが利用できるようにしたいと思っていると述べた上で、スレッドのユーザーに続報を待ってほしいと呼びかけるものだ。
同氏は、「われわれは非常に多くの顧客がLinuxを使っていることを理解しており、またTeamsを誰もが利用できるようにしたいと思っている。近く発表される詳しい情報を待ってほしい」と述べている。
Linuxクライアントが存在しないことに不満を表している人は、特に開発者に多い。
Tibor Futoと名乗るユーザーは、「最初のコメントから3年近く経つのに、Microsoftはいまだに約束したものを提供していない。本物のエンジニアはWindowsではなく、Linuxを使っている」とコメントしている。
非常に多くの開発者がLinuxを使っていることを考えれば、Teamsがリリースされて以降、いまだにLinuxクライアントが提供されていないのは奇妙に思える。StackOverflowが2019年に実施した開発者を対象とした調査では、開発者の53%がお気に入りのプラットフォームとしてLinuxを選んでいる。一方、Windowsを選んだのは50%だった。
Microsoftは7月に、Teamsを毎日使用するユーザーが世界に1300万人以上いると発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。