MSが8月の月例パッチ公開--「BlueKeep」に似たRDSの脆弱性も修正、更新呼びかけ

Catalin Cimpanu (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2019-08-14 14:23

 Microsoftは米国時間8月13日、8月分の「月例パッチ」を公開した。

Microsoft

 同社は今月の月例パッチで93件の脆弱性を修正したほか、同社の製品やサービスに影響を及ぼすセキュリティ関係の問題2件に対する緩和策を提供する、2件のセキュリティアドバイザリーを公表した。

 この日修正された脆弱性にはすでに攻撃が出回っているものはなく、脆弱性の詳細がオンライン上で公表されているものもなかった。

RDSのリモートからのコード実行が可能な脆弱性

 セキュリティ研究者に言わせればどんな脆弱性も重要なのだろうが、今回特に注目すべきなのは、「リモートデスクトップサービス」(RDS)のコンポーネントに存在する、遠隔からのコード実行が可能になる4件の脆弱性だろう(CVE-2019-1181、CVE-2019-1182、CVE-2019-1222、CVE-2019-1226)。

 これら4つのうち、最初の2件は特に大きな脅威になり得る。

 Microsoftセキュリティレスポンスセンター(MSRC)のインシデント対応担当ディレクターSimon Pope氏は、ブログ記事の中で、これらの2つのバグはワームに利用される可能性があり、5月に修正されたRDSの脆弱性「BlueKeep」(CVE-2019-0708)に似たものだと説明している。

 これはつまり、これらの脆弱性を利用することで遠隔からコンピューターを乗っ取ることができ、その後ユーザーの関与なしにほかのコンピューターにも感染を広げられることを意味している。

 MicrosoftはCVE-2019-1181CVE-2019-1182について、できるだけ早く対処するよう推奨している。

その他の脆弱性

 しかし、8月に修正された遠隔からのコード実行が可能な脆弱性はそれだけではない。

 スクリプトエンジン「Chakra」(「Microsoft Edge」などのMicrosoft製アプリで使用されている)では7件、仮想マシンのハイパーバイザー「Microsoft Hyper-V」では2件、「Microsoft Graphics」では6件、「Outlook」では1件、「Word」では2件、「Windows DHCPクライアント」では2件、「VBScript」エンジンでは1件などの遠隔からのコード実行が可能な脆弱性が修正されている。

 さらにMicrosoftは、今回の月例パッチに合わせて、「Windows 7」と「Windows Server 2008 R2」のユーザーに対する延長サポートが2020年1月14日で終了し、それ以後はアップデートが配信されないことをあらためて周知した。

 同社は、「Windows 7またはWindows Server 2008 R2を使用しているすべてのコンピューターをアップデートし、今後も引き続きセキュリティ更新を受け取れるようにすることを強く推奨する」と述べている。

Microsoft以外のセキュリティアップデート

 Microsoftが月例パッチを公開するタイミングに合わせて、AdobeSAPVMWareもセキュリティアップデートを公開している。それらの情報にも注意を払ってほしい。

 8月の月例パッチの詳細に関しては、Microsoftの「セキュリティ更新プログラムガイド」で参照できる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]