Microsoftは米国時間9月23日、顧客関係管理(CRM)および統合基幹業務システム(ERP)ポートフォリオである「Microsoft Dynamics 365」に対する新たなアプリケーションや機能の追加を発表した。これらの多くは「人工知能(AI)を活用したもの」、すなわち同社のさまざまなAIテクノロジーに基づいて構築される、新たな「Azure AI」ブランドを構成するものとなる。

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同社は現在、AIを中核に据えた複数の「インサイト」アプリケーションをDynamics 365製品ファミリーの一部として販売している。「Customer Insights」「Customer Service Insights」「Market Insights」「Sales Insights」などだ。同社は2019年に入り、Dynamics 365および「PowerApps」ファミリーなどのこうしたアプリやその他のアプリに対して、10月1日から2020年3月までの間に「Wave 2」リリースの一環として数多くの新機能を徐々に追加していくと発表していた。そして同社は23日、Dynamics 365にさらなる新機能や新製品をもたらすと明らかにした。
Microsoftは、「Dynamics 365 Customer Insights」アプリケーション内で現在、B2Cトランザクションをサポートしているが、それに加えてB2Bトランザクションのサポートを追加する。
またMicrosoftは、同社の「インサイト」ファミリーに「Dynamics 365 Product Insights」というまったく新しいアプリケーションを追加しようとしており、10月にパブリックプレビューを開始する予定だ。このアプリケーションはAIを使用して製品の利用状況を今まで以上に深く理解できるように支援することで、革新的な製品設計や製品の問題解決につなげようというものだ。
さらにMicrosoftは、「Dynamics 365 Virtual Agent for Customer Service」ボットに新たな機能を追加する。Microsoftはこのサービスを強化し、顧客が仮想エージェントの公開に先立って、社内で事前にテストを実施できるようにする。
またMicrosoftは、「Dynamics 365 Supply Chain Management」製品に対する新機能もリリースする。「IoT Intelligence」と呼ばれるこの機能は、在庫状況のリアルタイムでの提示や、稼働時間やスループット、製品品質の向上を図るためのプロアクティブな業務管理、問題発生の予測やプロアクティブな解決で顧客を支援する。
これらの新機能やアプリの「AI」の機能は、Microsoftが現在提供している数々の既存の「Azure AI」サービスを用いて実現される。Microsoftは将来的に、これらのさまざまなAIテクノロジーを「Azure AI」と呼ぶことになる。
またMicrosoftは、「Dynamics 365 for retail」を新しい「Dynamics 365 Commerce」に置き換えようとしている。同社は、この新しい「Commerce」アプリを、「Dynamics 365 for retailが進化したもの」だと説明している。エンドツーエンドのコマース機能が含まれるという。この新アプリは、バックオフィスや店舗、コールセンター、デジタル体験を統合するソリューションとなる。
さらに、「Dynamics 365 Connected Store」アプリも発表された。実店舗内での動きを全体的に把握できるようにし、さらなるインサイトを提供して、顧客がプロアクティブに行動できるようにする。
Microsoftは、Dynamics 365スイートのwave 2のリリースを10月1日に開始する。また、10月10日にWave 2のリリースに関するバーチャルのローンチイベントをウェブキャストで行う。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。