未上場であるが企業価値が10億ドル(約1080億円)を超える新興企業を“ユニコーン”と呼ぶ。そのユニコーンが米国で上場するケースが増えてきた。ビデオ会議サービスを手がけるZoomや画像共有サービスのPinterestが4月、ライドシェアのUberTechnologiesが5月、Slack Technologiesが6月など上場ラッシュとなった。
金融緩和による金余り現象が背景にあるといわれるが、日本でも同様の動きが進んでいるのかといえば、そうでもなさそうだ。シリコンバレーのようなエコシステムがないとの指摘が聞こえてくる。アイデアや特許、IPO(新規株式公開)の数などが重要だが、ベンチャーキャピタル(VC)など民間ファンド、政府ファンド、エンジェルといった投資家も少ない。
欧州や中国など各国の状況はどうだろうか。欧州における2018年のITベンチャーキャピタル投資先として、英国が引き続きトップとなったものの、その投資額は前年よりも減少し、欧州の他の国々が差を縮めているという。BAT(百度:バイドゥ、阿里巴巴:アリババ、騰訊:テンセント)を生んだ中国も、2018年10月時点でユニコーン企業数は、135社で1位の米国に続いて世界2位の84社。ちなみに、日本はたった1社だったという。
こうしたユニコーンをめぐる世界的な動向について分かる記事を集めた。