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記事集:クラウドのネットワーク監視

企業視点で解説するChromium版Edgeブラウザー(後編)

山本雅史

2020-01-14 06:00

 Microsoftは、2018年末にWindows 10のデフォルトブラウザー「Edge」をオープンソースのChromiumベースにすると発表し、2019年の1年間をかけて開発を進めてきた。Chromium版のEdgeは、2020年1月15日にWindows Updateで配布される予定であり、今後は多くのWindows 10ユーザーがChromium版Edgeを使うことになるだろう。本稿では2回に分けて、特に企業ユースの視点からChromium版Edgeを解説していく(今回は後編、前編はこちら)。

Chromium版Edgeの新機能は?

 Microsoftは、2019年の開発者向けカンファレンス「Build 2019」の基調講演において、Chromium版Edgeを披露した。その際に注目された機能の1つが、コレクション(Collections)だ。

 コレクションは、ユーザーが現在見ているウェブページから画像やテキストをサイドバーのコレクションにコピー&ペーストするだけで、ユーザーが必要とする情報をウェブサイトから集められる。もちろん、名前を付けた“コレクション”を複数作成することも可能だ。また、コレクションされた情報はExcelやWordにも簡単に出力できる。例えば、カメラの付属品などを購入しようとして、いろいろなウェブサイトから情報を集め、価格順に並べ替えることもできる。

hromium版Edgeの右側パネルに表示されているのがコレクション。ウェブサイトの写真やテキストをドラッグ&ドロップでコレクションできる
hromium版Edgeの右側パネルに表示されているのがコレクション。ウェブサイトの写真やテキストをドラッグ&ドロップでコレクションできる
コレクションしたデータは、ExcelやWordに送ることができる
コレクションしたデータは、ExcelやWordに送ることができる

 なお、2019年12月25日現在で配布されているChromium版EdgeのBeta版は、Version 79となっている。Version 79がFinal Betaになり、これが2020年1月15日に配布されるリリース版となる。コレクションの機能はBeta版のVersion 79に搭載されていないようだが、Dev版などには入っているため、1月15日以降にアップデートされるだろう。

 Chromium版Edgeでは、Chromiumをベースにしている。このため、拡張機能はGoogleのChromeブラウザーで利用されているものをそのまま利用できる。基本的には、Microsoft Storeから拡張機能をインストールするが、実はChrome Web Storeからでも拡張機能をインストールできる(基本機能としてサポートされている)。

 拡張機能に関してMicrosoftは、開発者にまずChromium版Edgeでテストしてから、Microsoft Storeに登録してほしいと説明している。ユーザーとしては、さまざまな拡張機能がMicrosoft Store上にそろうのを待つことなく、Chromium版EdgeがリリースされてすぐにChrome Web Storeから拡張機能をダウンロードして利用することができる。従来のEdgeでもChrome向けに開発された拡張機能を少しの改良で利用できたが、インストールはMicrosoft Storeからしかできなかったため、ユーザーはあまり拡張機能を利用しなかった。開発者もEdge向け拡張機能の開発を止めてしまい、結局Edgeでは拡張機能がほとんど使われていなかった経緯がある。そこでMicrosoftもChrome Web Storeから直接拡張機能をインストールできるようにしたのだろう。

Chrome用の拡張機能がそのまま使える。Microsoft StoreでもChrome Web Storeでも入手できるようになる
Chrome用の拡張機能がそのまま使える。Microsoft StoreでもChrome Web Storeでも入手できるようになる
既にMicrosoft StoreでChromium版Edge向けの拡張機能の提供が始まっている
既にMicrosoft StoreでChromium版Edge向けの拡張機能の提供が始まっている
Chromium版Edgeの設定にある拡張機能で「他のストアからの拡張機能を許可します」をオンにすれば、Chrome Web Storeからも拡張機能をインストールできる
Chromium版Edgeの設定にある拡張機能で「他のストアからの拡張機能を許可します」をオンにすれば、Chrome Web Storeからも拡張機能をインストールできる

 この他にもChromium版Edgeでは、PWA(Progressive Web Apps)がサポートされているため、特定のウェブサイトをアプリとして登録できる。また、WebViewをサポートしているので、Chromiumのウェブサイト表示をWin32やUWPアプリに取り込める。設定画面も、従来のEdgeのようにサイドビューのような小さなエリアでなく、ブラウザー全体に表示される。画面表示が大きくなり設定項目の説明も詳しく、分かりやすくなった。

設定がブラウザーの全画面で表示されるようになり、分かりやすい。プライバシー設定も3種類用意されている
設定がブラウザーの全画面で表示されるようになり、分かりやすい。プライバシー設定も3種類用意されている

 例えば、プライバシーとサービスに関する項目では、どのようなレベルでプライバシーを保護するのかについて「基本」「バランス」「厳重」の3つから選択できる。詳しく分からないユーザーでも「バランス」にしておけばOKだろう。

 表示に関してChromium版Edgeでは、スタイルとして「ダーク」が選択できるようにもなった。黒色の背景に白地の文字が表示され、見やすくなっている。また、視覚障害者のためにハイコントラストのサポートされている。

Chromium版Edgeは画面テーマで「ダーク」を選択できる
Chromium版Edgeは画面テーマで「ダーク」を選択できる

 ちなみにPDF表示に関しては、PDFiumをMicrosoftが独自のカスタマイズを加えて、高機能なPDF表示機能としてChromium版Edgeに内蔵している

Chromium版Edge内部にオープンソースのPDFビューアが用意されている。インクやデジタルサイン、PDF文書の閲覧権限機能がサポートされる
Chromium版Edge内部にオープンソースのPDFビューアが用意されている。インクやデジタルサイン、PDF文書の閲覧権限機能がサポートされる

 Flashに関しては、Adobe Systemsが2020年末にサポート打ち切ると表明しており、Chromium版のEdgeでは、その他のChromiumブラウザーと歩調を合わせるように、段階的にサポートを停止する。2020年1月15日にリリースされるChromium版Edgeでは、Flashの動作が全てのウェブサイトでブロックされるようになる。ユーザーがFlashを有効化したい場合は、明示的にFlashを動作させるという操作をする必要があり、この際にセキュリティ上の問題があることが表示される。そして2021年からは、Flashの動作を一切ブロックし、Flash自体をサポートしなくなる(将来的にブラウザー内部のFlashのコード自体が排除される)。

Flashは2020年末でサポートが終了するため、Chromium版Edgeでも2020年末をめどにFlashのサポートを終了する
Flashは2020年末でサポートが終了するため、Chromium版Edgeでも2020年末をめどにFlashのサポートを終了する

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