RocksetのCEOであるVenkat Venkataramani氏は、人材不足の問題に対して、さらに単純な解決策を示している。ベンダーや顧客は、SQLなどのすでに普及しているスキルセットに合わせるべきだという主張だ。「企業は、データ管理スタック全体について、SQLに関する標準化を強力に推し進めるだろう。データ管理ソリューションは、それがストリーミングプラットフォームであるか、オンライン運用システムであるか、オフラインのバッチ式アナリティクスであるかに関わらず、開発者でもデータサイエンティストでも使える標準インターフェースとしてSQLに収れんされるだろう」と同氏は述べている。
ガバナンス
これらはいずれも、データのプライバシーや保護、ガバナンスがしっかりしていなければ実現できない。これらはどれも大きな問題になっている。
SASのWright氏は、「世界中でプライバシー法やデータ保護法が制定されているため、企業は、データプライバシーの取り扱いを最初から想定したデータガバナンスの仕組みを作ることを迫られている」と述べている。SisuのBailis氏は、「2020年以降は、ガバナンスが再び重要な問題になる。分析と診断のプラットフォームが拡大するにつれて、データから導き出された事実は、企業内でシームレスに共有されるようになるだろう。これは、データガバナンスツールによって、データの機密性、適切な利用、完全性を確保するのが容易になり、再びこれらの問題を意識しなくても済む状況になるためだ」と述べている。
Alteryxの最高データ・アナリティクス責任者であるAlan Jacobson氏は、次のように述べている。「人々はルールに従うことを好まないが、それに合わせることで成功につながるフレームワークに従うことは歓迎する。優れたガバナンスは、効率的かつ効果的なベストプラクティスによって従業員の力を高め、企業の目標を達成するためのものであると見なされるようになるだろう」という言い方をしている。
2020年のデータ業界
Hadoopとビッグデータ、AI、クラウド、Kubernetes、人材不足、データガバナンスに対する関心の高まりなどに関する専門家の予想を見てきたことで、2020年のデータ、アナリティクス、AIに対する見方を整理するフレームワークが得られた。筆者には、それぞれの話題は、相互に深く関係していたように思える。ビッグデータアナリティクスは、AIを実現するための足がかりになった。一方、クラウドとKubernetesによって、必要なテクノロジーを導入して利用してすることや、経験を積むことが容易になったことは、スキルアップによる人材不足の解決にもつながる。またこれらのことから、データガバナンスに対する取り組みの必要性は今までになく高まっている。
これらのデータ関連のテクノロジーは統合されつつあるが、2020年にはその動きがさらに進む。そのことは、一部の企業の合併にもつながるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。