「Windows 7」のサポートは終了し、今後は基本的に無料で新たな機能やセキュリティ更新プログラムが提供されることはない。これを受け、フリーソフトウェア財団(FSF)はMicrosoftに対し、Windows 7をフリーソフトウェアとしてリリースして「過去の過ちを正す」ことを要求している。
Richard Stallman氏が1985年に設立したFSFは、長い間プロプライエタリソフトウェアライセンスにこだわるMicrosoftの姿勢を声高に批判してきた。Windows 7が発売されたときには、顧客にこのOSを捨てるよう呼びかけたほどだ。しかしFSFが今回取った行動は、Microsoftに対して、Windows 7をGPLなどのフリーライセンスに基づいてフリーソフトウェア化し、「過去の過ちを正す」よう求めるというものだった。
Microsoftは近年、オープンソースやLinuxをビジネスに取り入れつつある。
しかし、FSFが米国時間1月23日に公表した、「研究や改善ができるようにWindows 7をコミュニティに渡す」ことを求める今回の要求に、同社が応じることは考えにくい。
FSFは、「自らが寿命に達したと宣言したバージョンのOSを手放しても失うものはないはずだ」と主張している。
この要求書では、7777人以上の賛同者の署名を集めることを目標にしていたが、本記事執筆時点では、すでに1万人を超えている。
掲げられている要求は次の3つだ。
- 私たちは、Windows 7をフリーソフトウェアとしてリリースすることを要求する。その寿命を尽きさせる必要はない。研究、修正、共有できるように、コミュニティに引き渡すべきだ。
- 私たちはMicrosoftに対して、新しいバージョンのWindowsに無理に移行させるのではなく、ユーザーの自由とプライバシーを尊重することを強く求める。
- 私たちは、Microsoftがマーケティングのために都合のよいときだけユーザーとユーザーの自由の概念を利用するのではなく、それらを真に尊重していること示すべきだと考える。
MicrosoftがWindows 7をオープンソース化するとは考えにくい理由の1つが、Windows 7のサポートは1月14日で終了したものの、今後3年間は、「延長セキュリティ更新プログラム」(ESU)を有料で利用する企業に対してセキュリティ更新プログラムの提供が続くことだ。Windows 7 ESUは、Windows 10への移行を終えていない顧客を対象としている。
例えばドイツ連邦政府は、Windows 7 ESUを利用するために、80万ユーロ(約9500万円)以上をMicrosoftに支払う予定だと報道されている。
またRegisterが指摘しているように、Windows 10にはWindows 7のコードが残っているため、MicrosoftはWindows 7をフリーソフトウェアとして公開することは得策ではないと考える可能性が高い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。