マイクロソフト、「Teams」のセキュリティをアピール--「Zoom」に批判集まる中

Liam Tung (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-04-08 12:01

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受け、ビデオ会議システム「Zoom」のユーザーが爆発的に増加する前から、Microsoftは「Microsoft Teams」に対するZoomの脅威が増大していると考えていたようだ。

 セキュリティとプライバシーをめぐってZoomが激しい批判にさらされている中、MicrosoftがTeamsのビデオ会議のプライバシーやセキュリティ機能について紹介している。Teamsを主力のビデオ会議アプリにする狙いがあるようだ。

 新型コロナウイルスのパンデミックが発生する前、Zoomの月間アクティブユーザー数は約1000万人にすぎなかったが、同社は先週、リモートワークやリモートラーニングが増加したことで、1日の会議参加者数が2億人に達していると明らかにした。

 しかし、Zoomはここ数週間、セキュリティの問題とZoomのビデオ会議を乗っ取る「Zoom-bombing」(Zoom爆弾)の増加をめぐって、激しい批判を浴びている。ニューヨーク市の教育当局は、セキュリティへの懸念からZoomではなく、Microsoft Teamsを使用するよう教員に指示したとされる。

 「Microsoft 365」担当コーポレートバイスプレジデントのJared Spataro氏は新しいブログ記事で、Zoomには言及していないが、TeamsのプライバシーとセキュリティコントロールでZoom爆弾のような問題を阻止できること、データの暗号化、法執行機関からの要請に対するMicrosoftの対応について説明した。これらはすべて、Zoomが数週間批判されている内容だ。

 Spataro氏は、さまざまな分野でMicrosoftの方がより成熟したテクノロジープロバイダーであることを示した。例えば、同社はデータの収集や利用について詳述した透明性レポートを公開している。

 権利擁護団体のAccess Nowは先頃、リモートワークによってユーザー数が増加したことを受け、Zoomに透明性レポートを公開するよう求めている。Zoomは先週、今後90日間、新機能の追加を停止してセキュリティとプライバシーの問題を解決に取り組むとともに、透明性レポートの作成に着手することを明らかにした

 Spataro氏は、「人々はこれまで以上に、自分たちのバーチャルな会話がプライベートなもので、セキュリティが守られていることを知る必要がある。Microsoftでは、プライバシーとセキュリティが後回しにされることは決してない」としている。

 ミーティングや会議の管理に関して、ユーザーは「会議に直接参加できる組織外の人、そして誰かに招き入れられるまでロビーで待たなければならない人を指定することができる」と同氏は述べた。

 さらに同氏は、「会議中に参加者を削除できるほか、『発表者』や『出席者』の指定、参加者がコンテンツを提示できる会議の管理を行うこともできる。ゲストアクセスについては、組織外の人を追加できるが、データの管理権は維持することになる」としている。

 「モデレーションによって、コンテンツを投稿、共有できる人とできない人を管理することができる。また、高度な人工知能(AI)がチャットを監視し、嫌がらせやハラスメントなどのネガティブな行為を防ぐよう支援する」(Spataro氏)

 またSpataro氏は、MicrosoftはTeamsのデータを広告に利用せず、参加者のアテンショントラッキングをしないとしている。

 Microsoftは、サブスクリプションの期限が終了すれば、ユーザーのデータを削除する。Microsoftは、「ユーザーのデータへのアクセスは制限され、データについて政府の要請に対応する要件を慎重に定義することを保証するための強力な対策を取っている」とSpataro氏は説明した。

 さらに同氏は、「Teamsでは、転送中のデータも保存されたデータも暗号化する。当社のデータセンターのセキュアなネットワークにユーザーのデータを保存しており、動画や音声、デスクトップ共有でSRTP(Secure Real-time Transport Protocol)を利用している」と述べている。

 The Vergeが3月に報じたように、流出したMicrosoftの動画は、同社がZoomを「新たに台頭している脅威」とみていることを示しているようだった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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