ドリーム・アーツは5月14日、従業員数1000人以上の企業の社員を対象としたテレワーク実態調査の結果を発表した。新型コロナウイルス対策としてテレワークを導入した企業では70%以上が「生産性に効果がない」と回答した。
この調査は、新型コロナウイルスの感染防止策で急増したテレワークの実態把握を目的に、4月18~19日に1000人へアンケートを行った。テレワークの導入は、新型コロナ以前が39%、感染拡大した2~3月の導入が25%、4月7日の緊急事態宣言後が20%の合計84%。導入していない企業は16%だった。回答者のテレワーク経験は、新型コロナ以前からが22%、新型コロナ以後が53%、未経験が25%だった。
テレワーク時の困り事には、「オフィスに保存してある紙書類の確認・入手ができない」(46%)、「書類へのサインや捺印がもらえない」(28%)、「同僚とのコミュニケーション・雑談が減る」(26%)、「上司や同僚との業務確認の会話が減る」(24%)などが挙げられた。
テレワークが「オフィスで働く以上に生産性が高まっているとは感じていない」との回答は65%に上った。新型コロナ以前から実施する企業では59%だったが、2~3月に導入した企業では70%、緊急事態宣言後に導入した企業では73%に上る。理由には「ネット環境が悪い」「子供や家族の邪魔が入る」「仕事をする環境が整っていないので効率が悪い」「ウェブになり会議が多くなった」「コミュニケーションがとりづらい」などの意見があった。急なテレワーク導入では十分に対応できず従業員がオフィス出勤時と同等の業務をこなせない状況に置かれていることが見て取れるとしている。
一方で生産性が高まっているとした回答者は、「通勤時間がないから時間を有効に使える」「集中できる」などの意見が上がったという。
また、ワークフローシステムの導入率は67%ながら、このうち81%で紙の業務処理が残存していることも分かった。回答者の48%は、既存システムでは処理できないためだとしており、業務効率化のためのワークフローシステムがペーパーレス化を妨げている実態が判明した。
回答者の66%は新型コロナの感染が収束してもテレワークをしたいとした。