一般的にデータモデリングは煩雑な作業である。いくつかの方法論や技法を用いてデータを構造化するが、Tableau 2020.2が実装したデータモデリングは、データをドラッグ&ドロップすることでテーブル同士を関連付けし、集計結果の正確性を担保することが可能だ。
従来のデータモデリングはデータテーブルを結合してから分析に取りかかるが、その際は複数のテーブルを組み合わせるため、複雑化によるエラーを招きかねない。だが、リレーションシップ機能はすべての生のデータを保持しつつ、結合と分析を同時に進行できる。
Tableau Software シニアソリューションエンジニア 飯塚桂子氏
シニアソリューションエンジニア 飯塚桂子氏は「複数テーブルを組み合わせたデータ分析を簡単にするため、リレーションシップ機能を開発した」と説明し、同機能を先行利用していた顧客からは「その場でのETL」と評価されたという。
Tableauダッシュボードから作成可能なメトリクスは、KPIの視認性を高める新機能である。ウェブブラウザーやスマートフォン用アプリケーションの「Tableau Mobile」で数値や折れ線グラフでKPIを確認するというもの。そのTableau Mobileも新たな認証機能をサポートした。
Tableau Serverが、認証プロトコルの標準の一つである「OpenID」での認証を有効にしている場合、OpenID ConnectのPKCE(Proof Key for Code Exchange)を用いてセキュリティを担保する。また、相互SSL認証もサポートした。機械学習を用いてユーザーの好みや閲覧行動が類似している他のユーザー行動などを分析し、お薦めのコンテンツを提供する「ビューの推奨」機能も追加している。
Tableau Mobile経由で閲覧したメトリクス
その他の新機能として、地図データを提供するArcGIS Server URLやGeoService API URLを入力することで、TableauにEsriの位置データに接続するデータコネクターをサポート。抽出したデータは自動的に更新する。
自然言語処理を用いた質問に追加質問を示唆する「データに聞く」機能は、管理者によるカスタマイズを可能にした。前述のとおりTableauはSalesforce傘下になったが、その影響を受けてかデータ準備ツールの「Tableau Prep Builder」用Salesforceコネクターを新たに追加し、Salesforceのデータと他社製データを掛け合わせた分析ができるようになる。
そのTableau Prep BuilderやTableau Prep Conductorのいずれもデータの増分更新に対応した。Tableau 2020.02は全般的に分析に取りかかるまでのデータ準備時間を短縮するための機能強化を施している。