オンラインのアドネットワークを提供するLIVE BOARDと富士通は、屋内のデジタルサイネージ(DOOH:Digital Out of Home)のインプレッション(広告視認数)計測モデルを構築した。LIVE BOARDは商用サービス開始に先駆け、美容室専門デジタルサイネージメディアを展開するCMerTVとこの計測モデルを活用した広告配信の試験運用を開始した。
この計測モデルは、富士通のAI(人工知能)画像解析サービス「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Citywide Surveillance V3(GREENAGES Citywide Surveillance V3)」で測定した視認数(広告を実際に見たと推定できる人数)などのデータを基にしている。
GREENAGES Citywide Surveillance V3は、DOOH付近に設置したカメラ映像から個人を特定せずに群衆の視認方向を測定することで、広告視認人数や視聴時間、視聴率を算出する。人物が小さく顔の正面が映っていない群衆でも、頭部の向きや角度などから個人の視認方向を検出可能だという。また個人を特定せずに、髪型や服装などの全身特徴から、群衆の性別・年代を推定する機能も提供する。

インプレッション計測モデルにおける各社の役割(出典:LIVE BOARD、富士通)
同計測モデルにより広告主は、これまで測定が難しかった広告価値を広告視認数などの客観的なデータに基づき把握が可能になるという。
さらに広告主は、LIVE BOARDが提供するアドネットワーク「LIVE BOARD Network」を通じて、広告視認数の多い時間帯を狙ったインプレッション数に基づく広告出稿も可能になり、DOOHを所有するメディアオーナーはLIVE BOARD Networkに媒体を接続することで、インプレッション数に応じたDOOHの広告枠の販売など、新たな販売方法を提供できるという。
LIVE BOARD Networkは登録された複数のDOOHの中から、広告主が期間や時間を自由に設定して広告枠を購入できる。各メディアオーナーが所有するDOOHの空き枠を含め、DOOHをLIVE BOARD Networkに連携させることで、オンラインでの広告枠の売買やリアルタイム配信などが可能となる。