ディープラーニングによって人工知能(AI)分野を新たな段階に押し上げる能力がもたらされる。とは言うものの、その力を利用できるのはデータサイエンティストに限られていた。しかし最近になってついに「民主化」の機が熟し、必要とするすべての人々が利用できる、ハードルの低いテクノロジー一式になり、数々のビジネスアプリケーションも提供され始めようとしている。
提供:Joe McKendrick
人間の脳内の論理を模倣してパターン分析を実行するというディープラーニングが、企業のAIイニシアチブで幅広く採用されるようになってきている。ITPro TodayとInformationWeek、Interopが154人のITプロフェッショナルやビジネスプロフェッショナルを対象に最近実施した調査によると、AIを実装している企業の過半数(53%)がディープラーニングを向こう24カ月以内に業務に取り入れる計画があるとしている。
また、Databricksが新たに公開したレポートによると、ディープラーニングは現在、AI分野におけるイノベーションの急速な発展を推進するようになっており、あらゆる市場で大規模なディスラプションをもたらしているという。レポートの著者らは「ディープラーニングというモデルは、画像認識や音声認識といった複雑なタスクを実行し、これらの入力データから意味を導き出すよう訓練することができる」とした上で、「これらのモデルはデータの増大にも対応でき、そのパフォーマンスはデータ量の増加とともに向上していくという点が重要なメリットだ」と記している。
Databricksのレポートでは、ディープラーニングを「エンドツーエンドの学習と考えられる作業を実行する、機械学習(ML)の特殊かつ先進的な形態」と定義しており、「ディープラーニングのアルゴリズムには、一般的には構造化されていない異質かつ大量のデータとともに、分類などのタスクが与えられる。これによって出来上がったモデルは、画像内のオブジェクトを認識したり、話し言葉をリアルタイムで翻訳するといった複雑なタスクを実行できるようになる」と説明されている。