富士通のDX新会社が示す変化--Ridgelinezの今井CEOが講演

大河原克行

2020-08-07 06:00

 富士通グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)ビジネス専門会社として4月に事業をスタートしたRidgelinezは8月6~7日、同社初の大型イベント「TRANSFORMATION SUMMIT 2020」をオンラインで開催している。「変革創出企業が描く、日本ならではの新しいDXのカタチとは?」をテーマに、DXの先進事例を交えた10のセッションを用意し、3000人以上が事前登録。チェンジリーダーを対象にした「日本ならではの新しいDXのカタチ」を模索する内容となっている。

Ridgelinezの今井俊哉CEO
Ridgelinezの今井俊哉CEO

 初日午前の基調講演には、CEO(最高経営責任者)の今井俊哉氏が登壇し、「変革創出企業Ridgelinezが描く、目指すべき未来と新しいDXのカタチ」と題して、同社のビジョンやデジタル時代の最新動向、Ridgelinezが目指す新たなDXの姿などについて触れた。

 冒頭で今井氏は、「DXでは、『なぜトランスフォーメーションをすべきか』について、腹落ちをすること、何をどこまで変えるべきかに対する戦略性を理解すること、そして、半年程度という現実的な時間軸で変化をすることが大切。これまでできたこととは別に、嫌なことをやらされるということでもある。組織の中に必然性が共有されていないとDXはうまくいかない」と指摘した。

 その上で、3つの観点から企業のDXを支援する姿勢をみせる。1つは「Industry DX Strategy Consultant」により、課題や変革での戦略的ターゲットの設定を経営陣と一緒に考えることという。もう1つが「DX Competency Consultant」により、設定した課題に対するソリューションを考える。そして3つめが、「DX Technology Consultant」を通じて実装をイメージした具体的な技術を提案し、アジャイル開発し、肌感覚で変革を体験してもらうことだという。「3種類の異なる役割を持つタレントを組み合わせ、アライアンスも活用しながら、日本の企業の変革の手伝いをしたい」(今井氏)

企業のDXを支援するという3つのタレント
企業のDXを支援するという3つのタレント

 同社のロゴマークには、同社が「トランスフォーメーションライン」と呼ぶS字のような下から上に上がっていく線がデザインされている。これについて今井氏は、「現在地点から新たな未来に移る道筋を示している。変革は簡単ではなく、急な坂道や山道を登っていくようなもので、それを示した。日本人が好み、安定感を感じる1:1.414という白銀比をこのラインに取り入れている。日本初のDXの会社として、日本企業のため、日本文化や歴史に根ざした提案ができる企業になりたい。白銀比は、どちらかというと静のイメージで、静の感覚を持った変革の仕方が日本企業に合っていると考えた」と説明した。

Ridgelinezの企業ロゴ
Ridgelinezの企業ロゴ

 社名の由来にも触れ、「Ridgelinezは山の稜線という意味。暑い日に山の急斜面を登ると、『なぜ、こんなに辛い思いをするのか』と思う。しかし、稜線にたどり着くと、突然そこで違った景色が開ける。複数形を用い、それをZで表現したのは、1つの稜線ではたどり着ける高さが限られているため、複数の稜線を重ね合わるという意味と、『AからZまで』という意味を込めた」とした。

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