三井情報とシスコシステムズは、三井物産のグローバルネットワーク基盤に、シスコが提唱する最新ネットワークアーキテクチャー「Cisco DNA(Digital Network Architecture)」を提供した。
このネットワーク基盤は2019年4月から順次利用を開始しており、2021年までに三井物産の世界65カ国・地域132拠点で利用される予定だ。三井情報はCisco DNAにいち早く着目し、2017年からシスコの製品開発部門とPoC(概念実証)を進め、2018年以降社内検証を繰り返してきた。今回導入した三井物産グローバルネットワーク基盤は、Cisco DNAを全面採用した大規模構築事例で、日本だけでなくアジアでも先進的な取り組みとなる。
ネットワーク構成図
三井物産の新本社ビル(東京・大手町)では約8000人が場所を問わずどのデバイスからでもストレスなく自由かつ安全に情報へアクセスできることが求められていた。今回導入した製品およびサービスは、Cisco DNA CenterおよびCisco SD-Access、Cisco Meraki、Cisco SD-WANとなっている。
Cisco DNA Centerの導入により、三井物産本社ビルではコアネットワークからデバイスが接続するエッジまでのネットワークを仮想化し、ユーザー、デバイス、アプリケーションによって動的に通信をソフトウェア制御ができるようになった。そして、サービスに応じた優先制御をCisco SD-Accessで実現し、ネットワークのセキュリティおよび品質が向上した。
Cisco Merakiは、デバイスをクラウド上で一元管理できる運用性に優れたMerakiダッシュボードにより、ネットワーク状況を可視化できるため、運用コストの大幅な低減が期待される。三井物産では海外拠点のLAN環境に導入することで構築・展開が容易に行えるようになった。将来的な拠点追加などの拡張性や運用監視、ファームウェアアップデートなどが全てリモートで対応できることも採用の決め手となった。今後は国内拠点への導入も検討しているという。
Cisco SD-WANは新本社ビルと海外拠点で導入した。クラウド型のウェブプロキシーサービスを併用し、要件に合わせて各拠点からインターネットへアクセスすることで、通信遅延の解消に寄与している。これまで国内外拠点からのインターネット接続は、全てデータセンターを経由する必要があり、アクセス遅延の原因となっていた。