米国時間9月28〜29日にかけて、「Azure Active Directory(Azure AD)」を使用した認証に大きな問題があり、世界各地のユーザーが影響を受けた。また10月1日から、「Microsoft Exchange」と「Microsoft Outlook」の問題が、主に欧州とインドで「Office 365」と「Microsoft 365」のユーザーに影響を及ぼした。7日時点でも問題は続き、主に米国などでExchangeとOutlookのほか、「Microsoft Teams」と「Microsoft SharePoint」の多くのユーザーに影響が出ていた。
Microsoftは5日以降も、ExchangeとOutlookの問題の影響が残っている可能性があり、管理センターへのアクセスや、Outlookのモバイル版とデスクトップ版の同期などで問題があるかもしれないと、Office 365とMicrosoft 365のユーザーに警告していた。これらの問題が、先のAzure ADの認証トラブルに関連しているのか尋ねたところ、同社はノーコメントだった。(筆者は、これらの問題は無関係である可能性が高いと耳にしている)。
10月7日の午後(米国東部標準時)から、主に米国のユーザーが管理センターのダッシュボードにアクセスできないと報告し始めた。そして午後2時半頃、ユーザーはTwitterやその他のソーシャルメディアで、Teams、「Exchange Online」「Outlook.com」「SharePoint Online」「OneDrive for Business」といった、Microsoft 365サービスにアクセスできないと報告した。同じくらいのタイミングで、「Azureの状態」ページにはAzure ADと「Azure Networking」サービスの問題について警告があった。
午後4時頃には、Office 365とMicrosoft 365の一部のユーザーが、サービスが回復したと報告し始めた。(筆者の場合、午後5時の時点でも、Microsoft 365の管理センターにはアクセスできていなかった)。
Azureチームは同じ頃、ユーザーがMicrosoftやAzureのサービスにアクセスできない問題について、根本原因の予備的分析を発表した。その報告によると、午後2時〜3時40分頃(米国東部標準時)に、リージョンをまたいでAzureネットワークインフラストラクチャーを活用するリソースに接続しようとした一部の顧客に問題が発生したという。同社は、「同じリージョン内でローカルに依存しているリソースは影響を受けていないはずだ」と述べていた。
同社は、「WAN(広域ネットワーク)リソースに最近適用した変更が、リージョン間の接続遅延や障害を引き起こした」ことが原因だとしている。これを緩和するために、Azureチームは変更をロールバックして、適切な設定を行った。
一方、Microsoft 365チームは、サービスにアクセスできなかったのは、「ネットワークインフラの変更」が要因で、Teams、Outlook、SharePoint、OneDrive for Business、Outlook.comを含む複数のMicrosoft 365サービスが影響を受けた可能性があるとしている。また午後には、「容量を追加し、同様の影響がある先のインシデントを緩和するためのアクションで引き起こされていた、管理センターのトラフィック急増に対処している」としていた。
9月末のAzure ADの問題に続き、再び障害が発生したため、Microsoftのクラウドサービスにとって不名誉な状況だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。