中堅中小の5割の経営者、システム導入に積極的--APIでの連携が重要 - (page 2)

阿久津良和

2020-10-22 06:45

 freeeは自社製品の機能を外部から呼び出す「freee API」を契約企業や個人開発者に提供している。たとえば中堅中小企業向けのクラウド型の統合基幹業務システム(ERP)の「会計freee」は、POSレジの売り上げデータの取り込みや顧客情報管理システム(CRM)との連携、表計算アプリケーションとの連動などを実現してきた。

 今やオープンAPIを新ビジネスに活用する例は枚挙に暇がないものの、近年は複数のAPIから得られた情報を組み合わせる「マッシュアップAPI」、もしくは「APIエコノミー」といったキーワードも定着しつつある。

 このような背景を踏まえて長内氏は「SaaS販売会社はAPIを軸に多数の企業と共同でサービスを開発する市場開拓が可能。企業各社も必要に応じてAPIからデータやシステムの論理を利用して、自社のビジネスモデルにあわせてSaaSベンダーを利用できる」と説明した。

freee APIの概要 freee APIの概要
※クリックすると拡大画像が見られます

 現在freeeはJava、PHP、C#、Firebaseで利用できるソフトウェア開発キット(SDK)や各ソリューション用APIを提供している。また、自社ソリューションと連携し、機能を補完する「freeeアプリストア」を設置しているが、10月末時点で登録アプリケーション数は82件、APIを活用する開発者向けコミュニティー会員は1400人以上の登録があるという。

 同社はAPI利用の促進施策として「freeeアプリアワード2020」を開催中だ。提供企業のAPIを活用したアプリケーションも受け付けており、「入金されたらLINEに通知が届くというアプリケーションも応募されている」(長内氏)

 さらに長内氏は「企業がビジネスチャンスを発見したら、自社のペースでアプリケーションを開発、個人の開発者も手続きを踏めば、アプリケーション開発が可能。開発者から見れば利用しやすい形で提供している」とfreee APIの活用とイベントへの参加をうながした。

「freeeアプリアワード2020」の賞品など 「freeeアプリアワード2020」の賞品など
※クリックすると拡大画像が見られます

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]