freeeは自社製品の機能を外部から呼び出す「freee API」を契約企業や個人開発者に提供している。たとえば中堅中小企業向けのクラウド型の統合基幹業務システム(ERP)の「会計freee」は、POSレジの売り上げデータの取り込みや顧客情報管理システム(CRM)との連携、表計算アプリケーションとの連動などを実現してきた。
今やオープンAPIを新ビジネスに活用する例は枚挙に暇がないものの、近年は複数のAPIから得られた情報を組み合わせる「マッシュアップAPI」、もしくは「APIエコノミー」といったキーワードも定着しつつある。
このような背景を踏まえて長内氏は「SaaS販売会社はAPIを軸に多数の企業と共同でサービスを開発する市場開拓が可能。企業各社も必要に応じてAPIからデータやシステムの論理を利用して、自社のビジネスモデルにあわせてSaaSベンダーを利用できる」と説明した。
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現在freeeはJava、PHP、C#、Firebaseで利用できるソフトウェア開発キット(SDK)や各ソリューション用APIを提供している。また、自社ソリューションと連携し、機能を補完する「freeeアプリストア」を設置しているが、10月末時点で登録アプリケーション数は82件、APIを活用する開発者向けコミュニティー会員は1400人以上の登録があるという。
同社はAPI利用の促進施策として「freeeアプリアワード2020」を開催中だ。提供企業のAPIを活用したアプリケーションも受け付けており、「入金されたらLINEに通知が届くというアプリケーションも応募されている」(長内氏)
さらに長内氏は「企業がビジネスチャンスを発見したら、自社のペースでアプリケーションを開発、個人の開発者も手続きを踏めば、アプリケーション開発が可能。開発者から見れば利用しやすい形で提供している」とfreee APIの活用とイベントへの参加をうながした。
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