日立製作所は11月12日、日本マイクロソフトと開発したビル向けのIoTプラットフォーム「BuilMirai(ビルミライ)」を発表した。日立の「Lumada」ソリューションとして2020年内に国内提供を開始するほか、日立が11月4日に開始した「Lumadaアライアンスプログラム」を通じてマイクロソフトと連携し、ビル分野向けソリューション開発や海外展開を推進する。
BuilMiraiは、Microsoft AzureやDynamics 365を利用して開発しており、昇降機や空調などビル設備の稼働状況を遠隔で統合的に監視、分析できるデベロッパー向けのソリューションになる。主に大規模ビルを対象として複数のビルを横断的に監視、分析することもできるという。ビル設備のデータに加えビル内のエリアごとの混雑度などの人流データを組み合わせて分析することもでき、ビル管理効率化や利用者の快適性向上、ビル運営品質の維持・向上につながるとしている。
「BuilMirai」の利用イメージ(出典:日立製作所)
日立は、4月に日立ビルシステムと建物内で非接触による移動や生活を実現する「タッチレスソリューション」を体系化するなどしており、マイクロソフトとは6月に製造・ロジスティクス分野向け次世代デジタルソリューション事業で戦略的提携に合意したほか、Lumadaアライアンスプログラムにマイクロソフトが賛同している。
ソリューションの活用により、デベロッパーは利用状況を加味して効率的な清掃や警備作業や、ビル設備の状態を踏まえた保守計画の策定が行えるようになるほか、人流データの活用による混雑状況に応じた温度設定、トイレやミーティングスペースなどの利用状況・混雑情報の提供、ビルごとのアラート発生状況やエネルギー使用量などから複数ビルの運営課題の抽出や改善策の検討などが行えるという。
日立は、オープンなAPIも提供するとし、パートナー企業が新ソリューションを容易に追加でき、柔軟にサービスメニューを拡充できるとしている。