SAP傘下のQualtricsは米国時間12月28日、新規株式公開(IPO)申請書類を米証券取引委員会(SEC)に提出した。IPO価格は1株当たり20~24ドル(約2100~2500円)になる見通しとされている。この価格は暫定的なものであり、売り出される株式数は明らかにされていない。SAPは7月、Qualtricsを米国でIPOを通じて上場させる計画を発表していた。
上場先はNASDAQで、ティッカーシンボルは「XM」となる。引受主幹事はMorgan StanleyとJP Morganが務める。
SAPは2018年にQualtricsを80億ドル(約9100億円)で買収すると発表し、2019年に買収を完了した。
SAPはQualtrics株の過半数の保有を続ける予定だ。同社は7月、Qualtricsの分社化は予定していないとしていた。また、Qualtricsの買収は大きな成功を収めたとの考えを示した。
SAPはこのIPOについて、「Qualtricsの自律性を高め、SAPの顧客ベースの枠を超えて基盤を拡大できるようにする」狙いがあると説明している。
Qualtricsは、「当社のXMプラットフォームは、顧客を熱狂的なファンに、従業員をアンバサダーに、製品を情熱の対象に、ブランドを信仰の対象に変えるようなエクスペリエンスを企業が設計し、改善することを支援する」としている。
QualtricsのXMプラットフォームは、「CustomerXM」「EmployeeXM」「ProductXM」「BrandXM」で構成されている。
申請書類によると、Qualtricsは1万2000社を超える顧客を擁し、従業員数は3300人超となっている。2020年9月末までの9カ月間の売上高は前年同期比31%増の5億5000万ドル、純損失は2億5800万ドルだった。
また、IPOの一環として、プライベートエクイティファンドのSilver Lakeが5億5000万ドル相当の株式を購入することで合意したという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。