SAPは、Qualtricsを米国で新規株式公開(IPO)を通じて上場させる意向を明らかにした。
SAPは、「今回のIPOにおけるSAPの主目的は、エクスペリエンスマネジメントにおける市場の潜在力を最大限にとらえるQualtricsの能力を強化することだ。これによってQualtricsの自律性は高まり、SAPの顧客ベースとそれ以外の両面において、事業を拡大することが可能になるだろう」と述べている。
SAPは2018年下旬にQualtricsを80億ドル(約9100億円)で買収すると発表し、自社のクラウド製品ポートフォリオに加えたのはごく最近のことだ。
Qualtricsは当時IPOを目指しており、2018年11月には、NASDAQに上場する計画を詳細に説明した目論見書を公開していた。しかしSAPは、Qualtricsが上場する直前に、電撃的に同社の買収を発表した。
SAPは、Qualtricsは同社がこれまでに買収した他の企業よりも高い自律性を持って運営していると述べ、今回の計画を正当化している。
最新の業績報告によれば、Qualtricsの直近の四半期売上高は、前年同期比82%増の1億6100万ユーロだった。
SAPによれば、同社はQualtricsの親会社としての地位を維持する予定で、「スピンオフや、株式の過半数の持分を放棄することは意図していない」という。個人としてもっとも多くの株式を所有する株主は、Qualtricsの創業者であるRyan Smith氏になる予定だ。
SAPの最高経営責任者(CEO)Christian Klein氏は、「SAPのQualtrics買収は大きな成功を収め、われわれの予想を上回る業績を上げた。2019年のクラウド事業の成長率は40%を超えており、現在の状況で極めて高いパフォーマンスを示した」と述べている。
同氏はさらに、「Ryan Smith氏、Zig Serafin氏と私が協力して仕事を進めていく中で、IPOは、Qualtricsがエクスペリエンスマネジメントのカテゴリーにおいて成長し、顧客にサービスを提供し、独自の買収戦略を模索し、最高の人材を育成し続けるための最大の機会をもたらすだろうと判断した」と説明している。
Klein氏によれば、SAPは引き続き、Qualtricsの市場参入と研究開発における「最大かつもっとも重要な」パートナーであり続ける一方で、QualtricsはIPOによって「パートナーシップの締結や完全なエクスペリエンスマネジメントエコシステムの構築を進めることで基盤を拡大し、独立性を高めることができる」という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。