マイクロソフトのテクニカルフェロー、ドン・ボックス氏が退社

Mary Jo Foley (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-04-02 11:41

 筆者はMicrosoftウォッチャーとしてのキャリアの中で、多くのスマートで興味深い人たちにインタビューすることができて非常に幸せだ。中でも、Don Box氏へのインタビューはいつも楽しかった。

Don Box氏
提供:Don Box氏

 Don Box氏はMicrosoftで19年にわたって働いてきた。同氏は米国時間3月31日のFacebookへの投稿で、新たな仕事のためにMicrosoftを退社することを明らかにした。4月の1カ月間を休んだ後、5月3日から次の仕事を始めるという。

 Box氏の同社における最後の肩書きは、テクニカルフェロー、そして2017年12月から務めている複合現実(MR)エンジニアリング担当バイスプレジデントだった。またBox氏は、同社のMRチームとともにMR向けリアルタイムコラボレーションプラットフォーム「Microsoft Mesh」(3月のオンラインカンファレンス「Microsoft Ignite」で発表された)の開発に取り組んだ。それ以前には、Operating Systems Group(OSG)グループでシリコン、グラフィックス、メディア開発担当ディレクターとしてコアOSグループの開発チームを率いた。LinkeInの同氏の略歴欄には「『Xbox One』のOSを開発するチームを立ち上げた」ことも書かれている。

 筆者はBox氏が秘密のOSやMR関連の業務にひそかに取り組むようになる以前、同氏と直接やり取りしていた。同氏は、多数のプロジェクト(とコードネーム)の開発者であり、アーキテクトだった。筆者は長年、「COM(Common Object Model)」、「M」モデリング言語「Quadrant」モデリング環境、「XML Web Services」「Windows Communication Foundation(『Indigo』)」などについてカバーしてきた。Box氏はMicrosoftに入社する前に、DevelopMentorを創業したほか、「Microsoft Systems Journal」のコラムニストだった経歴を持つ。また、SOAP仕様の策定者の1人でもある。

 Box氏はこの数年公の場でキーノートなどで姿を見せる機会が少なかったが、同氏が過去の「TechEd」カンファレンスのステージで、バスタブに入ってXMLやSOAPについて話したことを懐かしく思い出す人も少なくないだろう。2003年のMicrosoft PDC基調講演の「Lap Around Longhorn」についても同様だ。

 同氏はFacebookに、「Microsoftのリーダーシップが私の次なる使命と認めてくれた素晴らしい機会について、謙虚に受け止めるとともに感謝している。この機会は素晴らしいものであり、逃し難い、本当に逃し難いものだ。しかし、とても驚いたことに、探し求めている(自らの)変革のためにMicrosoftを去らねばならない」と記している。

 Box氏は、次にどこで何をしようとしているのかを明かしていないが、最近はプログラミング言語Rustに夢中だとも書きつづっている。同氏は2月に、MicrosoftがRustを支援するということについての喜びをツイートしていた。

 誰がBox氏の後任となるのか(もしいるのであれば)と、筆者はMicrosoftに尋ねたが、広報担当者によると、特にコメントはないとのことだった。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    KADOKAWAらの事例に学ぶ、2024年サイバー攻撃の傾向と対策

  2. セキュリティ

    MDMのよくある“12の悩み”を解決!Apple製品のMDMに「Jamf」を選ぶべき理由を教えます

  3. ビジネスアプリケーション

    生成AIをビジネスにどう活かす?基礎理解から活用事例までを網羅した実践ガイド

  4. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  5. セキュリティ

    「100人100通りの働き方」を目指すサイボウズが、従業員選択制のもとでMacを導入する真の価値

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]