Microsoftは、自社ビルドのオープンソース版JDKである「Microsoft Build of OpenJDK」の一般提供を開始した。
同社はこれに先だって、4月に長期サポート版のOpenJDKディストリビューションであるMicrosoft Build of OpenJDKのプレビュー版を公開している。Microsoftの開発者は社内でソフトウェアをビルドする際に使っており、ほかの開発者がJavaでアプリケーションを書くときにも有用なものとなる。Microsoftは、開発者向けカンファレンスの「Build 2021」でこの発表を行った。
Microsoftは「Azure」や「SQL Server」「Yammer」「Minecraft」「LinkedIn」などで積極的にJavaを使用している。
MicrosoftのDeveloper Division担当コーポレートバイスプレジデントJulia Liuson氏は、米ZDNetの取材に対して、「MicrosoftやLinkedInの社内では、何十万もの仮想マシン(VM)で自社バージョンのOpenJDKをデプロイしている。Microsoft全体では50万以上のVMでJavaが動いている」と述べた。
「私たちはそれをAzureで顧客にも提供している」
Microsoftのソフトウェア開発の世界では、Javaは比較的新しい存在だ。
Liuson氏は、「私たちはこれまで多くのプログラミング言語でイノベーターの役割を担ってきた。Javaは、私たちがサポートするプログラミング言語の中で最も新しい言語の1つだ。歴史を振り返れば、MicrosoftはこれまでにもC++、C#、TypeScript、Pythonなどに取り組んできた。Javaはここ数年、特に力を入れている言語だ」と述べている。
例えば、現在提供されているこの種のサポートの1つにVisual Studio Codeの「Java Extension Pack」がある。この拡張機能パックには、「Maven for Java」や、「Language Support for Java by Red Hat」、人工知能(AI)を使用したコード自動補完機能である「IntelliCode」などが含まれている。
JavaはVS Codeでよく使用されているプログラミング言語のトップ3に入っており、ユーザーは100万人近くに達しているが、VS CodeでPythonを使用している開発者が200万人いることを考えれば、それよりは少ない。
「私たちは、Microsoftはプログラミング言語コミュニティのパートナーとして独自の立ち位置にあると考えている。JDKコミュニティに多くのコントリビューションを直接行える上に、VS Codeのような世界クラスのツールも手掛けている」とLiuson氏は述べている。
OpenJDKは、Linuxディストリビューションでもっともよく使われているオープンソースJDKの1つであり、MicrosoftのOpenJDKに対する主なコントリビューションには、ガベージコレクターに関する貢献などがある。
Microsoft Build of OpenJDKは無料で利用できる。このJDKには、「macOS」「Linux」「Windows」のx64サーバーおよびデスクトップ開発環境で動作する「OpenJDK 11.0.11」ベースの「Java 11」のバイナリーが含まれている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。