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松岡功の「今週の明言」

日本オラクル社長が語った「企業ITのクラウド移行に向けた“顧客視点”」

松岡功

2021-07-16 11:03

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、日本オラクル 執行役社長の三澤智光氏と、日本ヒューレット・パッカード 代表執行役員社長の望月弘一氏の発言を紹介する。

「クラウド化することより、今動いているワークロードをどう最適化するかが重要だ」
(日本オラクル 執行役社長の三澤智光氏)

日本オラクル 執行役社長の三澤智光氏
日本オラクル 執行役社長の三澤智光氏

 日本オラクルは先頃、2022会計年度(2021年6月〜2022年5月)の事業戦略について、オンラインで記者説明会を開いた。三澤氏の冒頭の発言はその会見の質疑応答で、企業の業務システムのクラウド化に関連した筆者の質問に答えたものである。

 会見の内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは三澤氏の冒頭の発言に注目したい。

 同社はここ数年、クラウドサービス「Oracle Cloud」事業に注力しており、大きく分けてSaaS型サービス「Oracle Cloud Applications」(以下、OCA)、およびIaaS/PaaS型サービス「Oracle Cloud Infrastructure」(以下、OCI)」を提供している。代表的な商品である「Oracle Database」はPaaSとして組み入れられている。それぞれのサービスの特長は図1および図2をご覧いただきたい。

図1:OCAの特長(出典:日本オラクル)
図1:OCAの特長(出典:日本オラクル)
図2:OCIの特長(出典:日本オラクル)
図2:OCIの特長(出典:日本オラクル)

 これらのサービスについて、筆者が会見の質疑応答で聞いたのは、「Oracle Cloudは企業において、マルチクラウド環境の中で使われることが多くなるのか、それともクラウド環境になってもメインのインフラとして使われることが多くなるのか」といったものだ。

 こう尋ねたのは、特にOCIの領域においては「Amazon Web Services」(以下、AWS)や「Microsoft Azure」(以下、Azure)といった競合が既に先行しており、厳しい市場争いになりそうな一方、これまで高い競争力を保持してきたOracle DatabaseをPaaSとして前面に打ち出していけば、マルチクラウドの中で欠かせない存在になる可能性が高いとの見方に基づいたものだ。これに対し、三澤氏は次のように答えた。

 「既にAWSやAzureを利用されているお客さまが相当数おられることは承知している。ただ、そうしたお客さまにおいてもバックエンドのさまざまな処理をOracle Databaseでこなしておられるところが少なくない。そうした仕組みをマルチクラウドと捉えるなら、今後はユースケースとして増えていくだろう。一方、これからミッションクリティカルなシステムをクラウドに移行させようとしているお客さまは、全面的にOracle Cloudを採用していただくケースが増えていくだろう。その手応えを十分に感じている」

 さらに、こう続けた。

 「ただし、お客さま視点で言えば、使用中のシステムをどのようにクラウド化するかということよりも、そのシステムで今動いているワークロードをどのように最適化していくかが最も重要であり、それがこうした取り組みの目的だ。場合によってはハイブリッド型にしたほうが最適なケースもある。当社はそうした視点でお客さまを支援していきたい」

 冒頭の発言は、このコメントから抜粋したものである。当たり前の解釈ではあるが、質疑応答の中で「三澤節」がハマったと感じたので、「明言」として取り上げておく。

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