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日本オラクル、基幹システムのクラウド化を加速する事業戦略を表明

國谷武史 (編集部)

2021-07-09 06:00

 日本オラクルは7月8日、2022会計年度(2021年6月1日~2022年5月31日)の事業戦略説明会を開催した。会見した執行役社長の三澤智光氏は、同社のクラウドサービス導入組織が増加しているとし、国内企業・組織の基幹システムのクラウド化支援に注力すると表明した。

2022会計年度の事業戦略を説明した日本オラクル 執行役社長の三澤智光氏
2022会計年度の事業戦略を説明した日本オラクル 執行役社長の三澤智光氏

 会見の冒頭で三澤氏は、2021会計年度を振り返り、「Oracle Cloudの拡大を(実績として)残すことができた」と総括。三井住友フィナンシャルグループにおけるグループ約200社共通の会計SaaSの導入、オカムラにおける自律型データベースのクラウドサービスの導入といった多くの事例に触れるとともに、野村総合研究所がオラクルのクラウドサービス基盤を自社データセンターに導入したケースなどを挙げ、企業・組織のミッションクリティカルシステム領域における採用実績の高まりをアピールした。

 また、ソフトウェア開発企業(ISV)におけるIaaSの「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」の採用も拡大しており、静岡県三島市とのスマートシティーにおける提携をはじめとする地域活性化への取り組みなども進みつつあると説明した。

 2022会計年度は、Oracle Cloudを構成するSaaS領域の「Oracle Cloud Applications」と、IaaS/PaaS領域の「Oracle Cloud Infrastructure」を軸に、(1)企業・組織のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進、(2)ミッションクリティカルシステムのクラウド化、(3)公共領域のデジタル化支援、(4)パートナーエコシステムの拡充――の4つの戦略テーマを掲げる。記者会見で三澤氏は、特にクラウド化への取り組みに重点を置いて説明した。

2022会計年度の事業戦略のテーマ(出典:日本オラクル)
2022会計年度の事業戦略のテーマ(出典:日本オラクル)

 グローバル市場における企業・組織向けのクラウドサービスでは、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloudらの存在感が強く、Oracle Cloudは各社より後発の立ち位置にある。三澤氏は、上述の導入実績を踏まえて、Oracle Cloudの優位性が「速(早)い、安い、セキュア」(同氏)にあると主張、「OCIが本格化したのは2018年。他社よりも新しいアーキテクチャー、テクノロジーを採用しているからこそ実現できた特徴」などと語った。

 国内企業IT市場では、DXをキーワードにした多様な取り組みに伴うIT投資の活性化が期待される中で、ERP(統合基幹業務システム)などミッションクリティカルシステムのクラウド化需要が高まる。三澤氏は、この種のシステムの多くでOracle Databaseなどが長年利用されていることなどを踏まえて、「実態としてクラウド化は、まだまだ進んでいない。汎用的なクラウドサービスやオープンソースソフトウェアの採用がもたらす弊害がある」と述べた。

 その理由としては、「汎用的なクラウドサービスは本来、分散処理型のワークロードに適している。これに対してミッションクリティカルシステムは集中処理型のワークロードで、特性が違う。特性が異なるシステムに汎用的なサービスを採用すれば開発、改修コストが膨れ期待した性能も出ず、ROI(投資利益率)を得られない。そうしたプロジェクトを幾つも見ている」とした。

 これに対し同社は、SaaS、IaaS、PaaSの各領域で、後発故の新しいアプローチを行っている点が特徴とする。SaaSに関しては、以前からオンプレミスソフトウェアの業務アプリケーション群をコードベースでクラウド用に再構築していることなどを説明しており、「AI(人工知能)を用いてより高度な機能を提供するようなアップグレードも、『ピュアなSaaS』のOracle Cloud Applicationsなら容易にできる」「最新のアーキテクチャーに基づくOCIで稼働することで安全性と拡張性を兼ね備えている」(三澤氏)と語った。

 クラウド化を加速させるための具体的な支援策には、「Oracle Support Rewards」と「Oracle Cloud Lift Services」を挙げる。

 Oracle Support Rewardsは、6月に発表され、Oracleのライセンスサポート契約顧客がOCIの「ユニバーサルクレジット」を購入、消費すると、100円に付き25円の割引が受けられる。Oracle Cloud Lift Servicesは、4月に発表され、国内では同日から提供する。クラウド移行を検討する顧客に対し、ケーススタディーやフィジビリティスタディー、概念実証(PoC)、早期立ち上げといった取り組みを無償で支援する。三澤氏は、「クラウド化には多くのノウハウを要するが、これからという顧客は持ち合わせていないことが多く、われわれの豊富なノウハウをもとに支援する」とした。

「Oracle Cloud Lift Services」の概要イメージ(出典:日本オラクル)
「Oracle Cloud Lift Services」の概要イメージ(出典:日本オラクル)

 会見では、この他にサステナビリティー(持続性)への取り組みとして、環境省とのプロジェクトや、2025年までに全世界のオペレーションを100%再生可能エネルギーで賄う方針なども紹介した。

 三澤氏は、「2021年はとても良い1年だった。2022年はクラウドトランスフォーメーションを加速させる1年にしたい。お客さまにITをアドバイスできる会社でありたい」と抱負を語った。一方で、課題には顧客満足度を挙げ、「オンプレミスのユーザーにクラウドをより良く活用していただくための取り組みがまだ不十分」「PaaSやIaaSにおいてエポックメイキングなことがまだまだ少なく、その実現に向け、エコシステムをより充実したものにしていく必要がある」とも述べた。

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