NVIDIAは米国時間8月24日、「VMware vSphere」を実行しているサーバー上で仮想化したAI(人工知能)ワークロードを運用できるソフトウェアスイート「NVIDIA AI Enterprise」の一般提供を開始した。NVIDIAは、今回のリリースに合わせて、Domino Data Labとパートナーシップを結び、同社のMLOpsプラットフォームをNVIDIA AI Enterpriseに統合する取り組みを進めていることも明らかにした。

提供:NVIDIA
NVIDIA AI Enterpriseは、「NVIDIA RAPIDS」スイートのソフトウェアライブラリーや、「TensorFlow」「PyTorch」などの機械学習フレームワーク、オープンソースの推論ソフトウェア「NVIDIA TensorRT」などのコンポーネントを1つにまとめたもので、これらの要素をパッケージ化し、エンタープライズ水準のサポートを提供する。また、このソフトウェアスイートは、Dell Technologies、Hewlett Packard Enterprise、Lenovoなどの主要メーカーのサーバーで動作するように設計されている。
NVIDIAのエンタープライズコンピューティングを統括するManuvir Das氏は、取材に対して、「このアイデアは、現在プライベートクラウドや企業のデータセンターのラックに収められているサーバーを使って、これらのサーバーに手頃な値段で、入手しやすいGPUを、わずかな費用で多少追加するだけで、AIに利用できるようにするというものだ」と話した。
このソフトウェアを製品化するに当たってNVIDIAがVMwareと提携したのは、「vSphere」が「企業のデータセンターにおける事実上のオペレーティングシステム」であるためだという。
NVIDIA AI Enterpriseが利用できるNVIDIA-Certified Systemを製造しているOEMメーカーには、Atos、Dell Technologies、GIGABYTE、Hewlett Packard Enterprise、Inspur、Lenovo、Supermicroなどがある。またDellは、今回の一般提供の開始に合わせて、NVIDIA AI Enterpriseに対応し、NVIDIA-Certified Systemの要件を満たす初めてのハイパーコンバージドシステムとなる「Dell EMC VxRail」を発表した。NVIDA AI Enterpriseは、同社のチャネルパートナーを介して提供される。サブスクリプションライセンスの価格はCPUソケット当たり2000ドルからに設定されており、これには1年間の「Business Standard Support」が含まれている。永続ライセンスは3595ドルで、サポートは別途購入する必要がある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。