今日では、データはあらゆる企業が所有することができるもっとも価値ある資産の1つだと考えられているが、多くの企業は、その価値を最大限に生かす方法を見つけられずにいる。
提供:SolStock / Getty
データの取り扱いに関して強力なリーダーシップが求められるようになったことで、最高データ責任者(CDO)の重要性が高まっている。CDOは、最近になって設置する企業が増えている役職で、その任務はデータ戦略を策定し、情報資産を管理することだ。
ただし、データベース企業のExasolが実施した調査によれば、CDOがどんな役割を果たすべきかについては意見が一致しておらず、回答者の約50%は、CDOに対して企業が期待していることは、誤った情報に基づいていると考えている。
この調査は、英国、米国、ドイツのCDO 250人を対象としてExasolが実施したものだ。調査では、企業の経営陣はCDOに非現実的なことを求めており、そのことが、多くのCDOが短期間でその地位を去る結果につながっていることも明らかになった。
調査に回答したCDOの約半数は、自分の役職の価値はビジネスの世界ではまだ理解されていないと感じている。また、やはり半数近くの回答者が、CDOに対する企業の期待は大きすぎる上に、「誤った情報」に基づいていると考えていた。
Exasolは、多くの企業が空席になっているCDOの席を埋められずにいるのは、これが理由かもしれないと述べている。また、雇用されているCDOの多くにとって、その関係は一時的なものであり、CDOの在職期間は、名前が「C」から始まる役職の中でもっとも短いという調査結果もある。Enterprise Data Management Councilが2020年に実施した調査によれば、金融業界を除けば、在職期間が3年以上のCDOは8%しかいない。Exasolの調査でも、CDOの17%は在職期間が1~2年の間だったことが明らかになった。
Exasolの最高データおよびアナリティクス責任者であるPeter Jackson氏は、企業の間で大きな混乱が起きている理由の1つは、CDOの役職が比較的新しいものであることだと述べている。Jackson氏は、米ZDNetの取材に対して、「CDOに求められる正確な要件や職務内容は企業によって異なるだろうし、重点分野やCDOが直面する問題も違うはずだ」と述べている。