Qualcommは、2020年に「Qualcomm IoT Services Suite」を発表してから1年を待たず、30以上のさまざまな分野に向けて業種別のIoTスイートを提供するとともに、最新のIoTアズアサービス(IoTaaS)アプリケーションを支える強化されたプラットフォームを導入しようとしている。このスイートは、スマート空港、スマートリテール、倉庫管理、交通管理など、多種多様な業界や分野に対応する。
提供:Qualcomm
Qualcommのシニアディレクターで、スマートシティ担当グローバル責任者のSanjeet Pandit氏は報道陣に対し、「(Qualcommはチップメーカーとして)、何らかの方法や形、形態でIoTのあらゆる部分に関わってきた」と話した。「そして今、さらに先へ進もうとしている。われわれはスタックの上層をめざす」(Pandit氏)
このサービススイートで提供するものは、Qualcommが各業界と協力してきたWi-FiやBluetooth、5Gによる接続にとどまらず、IoTプロジェクトの成功に必要なハードウェアやソフトウェア、プラットフォームを明確にしている。
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たとえば、スマートベニュー向けのスイートは、フットボール競技場やコンサートホールなどさまざまなイベント会場で利用できる。そういった会場には、観客の管理やチケット販売、セキュリティ、清掃業務、食品を扱う売店が必要になるという共通点がある。Qualcommのスイートは、スマート会場のそのような各要素に応じて、事前に検証され、統合されたハードウェアとともに、管理用ダッシュボードを提供する。
またスマート建設向けのスイートは、安全性やデバイス管理、トラッキング、資材の可視性やワークフローを向上させるツールを提供する。例えば、現場でコネクテッドヘルメットやコネクテッドサーマルカメラのようなデバイスを管理する手段だ。
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「さまざまなエコシステムのメンバーによる、これらのスマート製品すべてを集めてつなぎ合わせ、プライベートネットワークでワークフローの自動化を実現し、エンドツーエンドのパッケージを提供している」とPandit氏は話す。
Qualcommは業種別のサービスを提供するほか、IoT Services Suiteにさらなる機能を追加している。大規模なソフトウェア開発チームを持たない企業や行政機関などを想定しているようだ。ローコード開発によるドラッグ&ドロップ方式のデプロイ機能、デバイスの導入と管理の自動化、効率化されたデバイス構成とカスタマイズ可能なユーザーインターフェース(UI)、統合された標準作業手順書(SOP)のワークフロー、スケーラビリティと効率化を実現するエッジAI(人工知能)とクラウドの統合などだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。