Microsoftは、「Emissions Impact Dashboard」ツールの一般提供を開始した。これは同社のクラウド利用に伴う二酸化炭素の排出を把握、追跡、分析、削減できるように支援するもので、これまでMicrosoftのクラウドの一部顧客に提供していた。
同社の世界産業製品マーケティング担当ゼネラルマネジャーのKees Hertogh氏によると、同ツールは「Microsoft Sustainability Calculator」を改称したものだという。Microsoftのクラウド利用が企業のカーボンフットプリントに与える影響を算出でき、排出量を月別、サービス別、データセンターの地域別に掘り下げることを可能にする。
また、クラウドに移行していないワークロードを入力し、Microsoftクラウドに移行することで削減できる排出量を試算できるほか、クラウドのワークロードがスコープ3の排出量全体に与える影響を計算して、把握できるという。
「クラウドサービスの規模が拡大するにつれ、環境への影響を見過ごすことができなくなっている。Microsoft Emissions Impact Dashboardを広く一般に提供することにしたのはそのためだ。Microsoftクラウドの顧客は、このツールでクラウド利用に伴う二酸化炭素の排出を把握、追跡、分析、削減できる」とHertogh氏は述べた。
同氏は、「Emissions Impact Dashboardは、当社の環境への影響に対処するとともに、顧客が同じことを行うために支援する当社のコミットメントの一環だ。われわれは2020年1月、Emissions Impact DashboardをMicrosoft Sustainability Calculatorとして導入した。Emissions Impact Dashboardは、顧客が意味のある共有可能な情報を収集するために設計されており、重要な情報を集め、組織が持続可能なコンピューティングについて、より情報に基づくデータドリブンな判断を下せるよう支援する」と述べている。
このツールは、Microsoftのクラウドサービスを利用することに伴う温室効果ガスの排出について顧客に透明性をもたらすために構築されたと同氏は説明した。
Microsoftクラウドの利用によるスコープ3の排出量も算出できるようにもアップデートされている。サプライチェーンにおける排出は、温室効果ガス(GHG)プロトコルによって、スコープ1、2、3の3種類に分類されており、スコープ3は「燃料の抽出から、製造、輸送、使用、ハードウェアの廃棄まで、製品のバリューチェーン全体で発生する間接的な排出」を指す。
Hertogh氏は、「スコープ3に該当する事業活動は、最大の排出源であることが多いが、測定が困難だ。Emissions Impact Dashboardは、サードパーティーが検証済みの手法を使用して、クラウドのワークロードがすべてのスコープの排出に与える影響を幅広く理解できるようにする」と説明した。
Googleも今週、同社のクラウドユーザーがカーボンフットプリントの量を確認できる、同種のツールを発表している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。