提供:NSW government
オーストラリアのニューサウスウェールズ州政府は、AI、IoT、およびエッジコンピューティングテクノロジーを使用して、シドニーとニューキャッスルの公共交通機関の信頼性を向上させる試験を実施するため、Ciscoと提携した。
試験の一環として、ニューサウスウェールズ交通局(TfNSW)はIoTを使用することで、センサーを通して物理的なオブジェクトを「デジタル化」し、交通ネットワークに接続できるようにする。さらに、エッジコンピューティングを利用して、接続されたオブジェクトからリアルタイムデータを取得し、より迅速な意思決定を可能にする。AIは、データの理解とプロセスの自動化を支援するために使用される。
州政府によると、これらのテクノロジーは両都市の複数のバスやフェリー、ライトレール車両に接続される予定だという。
運輸道路大臣のRob Stokes氏は、「Ciscoとの提携の下、車両の供給と乗客の需要、パフォーマンスのリアルタイムビューに基づいて、ネットワークに関する将来の決定を下すことが可能かどうか調査したり、道路状況を監視して、修復作業が必要な場所を特定したりしている」と語った。
「セントラルステーションの近くのピットストリートで、AIとWi-Fi、エッジコンピューティングを使用してリアルタイムデータを取得し、リスクの高いイベントを特定している」
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の制限の緩和が続き、より多くの通勤者や歩行者がシドニーで最も忙しい交通ハブに戻る中で、車両の動きを注意深く監視することが可能になるだろう」
取得したデータは、資産を監視したり、乗客の旅の快適さをリアルタイムで把握したりするのにも使用される、と州政府は言い添えた。
Cisco Australia and New Zealandのトランスポートおよびインフラストラクチャー担当ゼネラルマネージャーのSimon Young氏によると、TfNSWは、同社のAIシステムを試験している世界で唯一の政府機関だという。
「これらの試験は、共同イノベーションとテクノロジーの使用によって、交通機関が直面する最も喫緊かつ困難な問題のいくつかを解決するCiscoとTfNSWのパートナーシップの力強さを表すものだ」(Young氏)
ただし、TfNSWがAIとデータ分析を利用するのは、今回の試験が初めてではない。TfNSWは9月、AIを使用して、国、州、地方自治体による交通安全パフォーマンスの管理を支援する予測アルゴリズムを開発していることを明かした。
TfNSWは、iMove共同研究センター(CRC)、シドニー工科大学、国際道路評価プログラム(iRAP)、地理空間データ企業のAnditiと協力して、生の道路データをより高速かつ自動的に抽出する方法を開発した。
「高速かつインテリジェントな道路評価プログラムデータ収集」(Accelerated and Intelligent Road Assessment Program Data Collection:AiRAP)プロジェクトと呼ばれるこの取り組みの一環として、それらの組織は、TomTomの「MN-R」次世代地図データ、LiDARデータの抽出手法と機械学習を使用し、NSW州の2万kmの道路について、「使用可能なデータ」と呼ばれるものを提供する予定だ。これらの方法論を証明するために、地方、州、国の高速道路のサンプルを対象とするパイロット評価も実施される。
TfNSWは2020年末、Microsoftと提携して概念実証を開発した。データと機械学習を使用して、危険な可能性がある交差点にフラグを立て、交通事故を減らすことが目的だった。
概念実証の一環として、TfNSWはウロンゴンで試験を実施し、危険な可能性がある5つの交差点を発見した。この試験では、50台の車両によって10カ月で10億行を超えるデータを生成した後、DatabricksとAzureを使用して、それらのデータのキュレート、取り込み、および解釈を実行した。
テレマティクスデータを使用して、速度、急ブレーキ、急加速、交差点に進入する直前の横方向の動きを特定した後、既存の衝突調査データのパターンと比較した。
試験の結果を受けて、5つの交差点のうち2つに修正が施されることが決まった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。