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調査

サイバーセキュリティ分野のM&Aが拡大、2021年は総額約9兆円--Momentumレポート

Jonathan Greig (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部

2022-02-15 14:53

 サイバーセキュリティコンサルティング会社Momentumの調査によると、サイバーセキュリティ分野における合併・買収(M&A)の取引額が2021年、775億ドル(約9兆円)に達した。

 同社のレポートによると、サイバーセキュリティ企業82社は調達した資金が1億ドル(約110億円)を超えた。また10億ドル(約1100億円)を超える規模のM&Aが14件あり、それにはMcAfeeAuth0、Mimecast、Thycotic、ProofpointAvastなどの取引が含まれる。

 Proofpointは2021年8月に現金123億ドルで買収された。NortonLifeLockは80億ドル超の取引でAvastと合併している。また、Oktaが64億ドルでAuth0を買収したほか、Symphony Technology GroupがMcAfeeのエンタープライズセキュリティ事業を40億ドルで買収した。

 サイバーセキュリティ企業が関与する投資案件は1000件以上あった。M&Aは286件だった。サイバーセキュリティ企業のKnowBe4、Darktrace、SentinelOne、Riskified、ForgeRockなど5社が2021年に新規株式公開(IPO)を行い、IPOで調達した資金は平均4億4400万ドルだった。

 こうした数値は2020年をはるかに上回っている。2020年にサイバーセキュリティ企業が関連した取引は728件で、M&Aの総額は197億ドルだった。

 M&Aが最も活発だった分野は、セキュリティコンサルティング、マネージドセキュリティサービスプロバイダー(MSSP)、リスクおよびコンプライアンス、クラウドセキュリティ、ネットワークおよびインフラストラクチャーセキュリティ、アイデンティティおよびアクセス管理、脅威インテリジェンスとインシデントレスポンス、データセキュリティなどだ。ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達では、リスクおよびコンプライアンス、データセキュリティ、アイデンティティおよびアクセス管理、ネットワークおよびインフラセキュリティなどが上位を占めた。

 報告書の執筆者の1人で、サイバーセキュリティVC企業NightDragonの創業者であるDave DeWalt氏は、米ZDNetに対して、業界はさまざまな要因が相まって、かつてないほどサイバーセキュリティのリスクが高まっていると述べた。

 「要因として、地政学的な緊張や危機、技術のデジタル化の進展、在宅勤務、IoTデバイスの普及、クラウドなどが挙げられる。サイバーセキュリティ業界は、こうした動向に対応できるように革新が求められており、その成長を促進するために、資金調達が大幅に増加しているようだ」とDeWalt氏は説明した。

 「私たちが運転する自動車から、企業ネットワークやモバイル機器まで、利用するあらゆるテクノロジーとサービスにサイバーセキュリティを組み込まなくてはならない、ユビキタスなサイバーセキュリティの新時代に突入した。この新時代に合わせて進化するために、少なくとも今後10年間はサイバーセキュリティへの投資が増加し続けるだろうと私は予想する」(同氏)

 VC企業AllegisCyber Capitalの創設者のBob Ackerman氏は、ベンチャーのエコシステムには「群集心理」があり、非常に有望だと見なす分野には過度に資本が集中する傾向があると指摘する。

 Ackerman氏によると、サイバー防御への爆発的な需要が主な要因となり、サイバーセキュリティのエコシステムに投資が流れ込んでいるという。

 「投資レベルは、ニーズとチャンスを純粋に反映している。サイバー分野に伴うリスクは非常に高い。誤った場合の結果は許されるものではなく、状況が複雑なうえ、予想もしないペースで変化していく。こうした環境において、最先端のイノベーションに投資し過ぎるということはない。とはいえ、コモディティー化した技術に過剰に投資し、必要不可欠な次世代のイノベーションに十分に投資していないという事態は起こりうる」と同氏は説明した。

 「グローバルエコノミーのデジタイゼーションは、サイバー攻撃の対象領域の爆発的な拡大に拍車をかけている。この環境を悪用しようとする悪質な人間の行動の全範囲があらゆるレベルでデジタル化している。その結果、ビジネス、教育、医療、重要インフラ、政府、旅行、金融など私たちの生活全般が非常に高いリスクにさらされている。サイバーは本当に21世紀の存亡にかかわるものの1つだ。リスクはこれまでになく高く、効果的なサイバー防衛の需要につながる。そしてサイバー分野のイノベーションへの投資が促される」(Ackerman氏)

 2月に入り、Microsoftがセキュリティ会社Mandiantの買収を検討していると報じられた。CiscoがSplunkに買収提案をしているとの報道もあった。The Wall Street Journal(WSJ)によると、提示された買収額は200億ドル(約2兆3000億円)超だという。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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