Oracleは米国時間3月10日、2022会計年度第3四半期決算(2月28日締め)決算を発表した。売上高はアナリストの予想に沿ったものとなったが、利益は2件の投資による損失が原因でコンセンサスを下回った。
最高経営責任者(CEO)Safra Catz氏は、「売上高は固定通貨換算ベースで7%以上成長した。クラウドへの移行を開始して以来、既存事業の四半期売上高の成長率で過去最高となった」と述べている。
さらにCatz氏は、次のように述べた。
この堅調な売上高の成長に加え、非GAAPベース、固定通貨換算ベースの営業利益が4%という安定した伸びを見せた。しかし注目に値するのは、全体的な売上高の急成長を「Cloud Infrastructure」と「Cloud Applications」事業の両方がけん引している点だ。Cloud Infrastructure事業の売上高は第3四半期、固定通貨換算ベースで47%増加した。Cloud Applications事業は、35%増の「Fusion ERP」と、29%増の「NetSuite ERP」がけん引した。Cloud InfrastructureとCloud Applicationsを含む「Cloud」の総売上高は現在、年間110億ドルを超えている。
最高技術責任者(CTO)兼会長のLarry Ellison氏は、同社が第3四半期に、「オープンソースデータベース『MySQL HeatWave』のマルチクラウド版の開発を完了した」と述べた。
Ellison氏は、次のようにコメントした。
MySQL HeatWaveデータベースはすでに、「Oracle Gen2 Cloud」で稼働している。数週間後には、「Amazon Cloud」と「Microsoft Azure」でも利用可能になる。MySQL HeatWaveは、MySQLと互換性があるAmazonの「Amazon Aurora」やSnowflakeの製品、その他の人気の高いクラウドデータベースと対抗できるように設計されている。Oracleの新しいMySQL HeatWaveデータベースについて、顧客とデータベースアナリストから寄せられた感想は驚くべきだ。
第3四半期の売上高は前年同期比4%増の105億ドル、1株当たり利益は1.13ドルだった。
アナリストは売上高を105億ドル、1株当たり利益を1.18ドルと予想していた。
同社は新興企業2社への投資で損失が出たと説明した。
第3四半期に1株当たり利益が0.05ドル減少したのは、革新的な遺伝子配列解析企業Oxford Nanoporeの株価が下落したこと、そして世界最速のArmサーバーチップの開発企業であるAmpereが営業損失を計上したことが主な原因だ。当社は、この最先端技術企業2社への投資が、Oracleに非常に大きな利益をもたらすと確信している。
クラウド(IaaSとSaaS)の総売上高は24%増の28億ドルだった。Fusion ERP Cloudの売上高は33%増、NetSuite ERP Cloudは27%増だった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。