東芝テックは3月1日、マニュアル通りの手洗いができているかをAIが判定し、HACCP(ハサップ)に対応可能な手洗いAI判定システム「Visual Wash」を発売した。販売目標は、5年間で5600セット。販売ターゲットは、食品等事業者(食品の製造・加工、調理、販売等)、その他衛生管理が必要な事業者などだ。
HACCPは、製品の安全性を確保するための衛生管理手法。食品関連企業などが食中毒菌汚染や異物混入等のハザード(危害要因)を把握し、製品出荷までの全工程の中でハザードを除去または低減させるために工程を管理する。
2021年6月より、全ての食品等事業者に対してHACCPによる衛生管理の制度化が開始され、現場ではHACCPに対応した考えを取り入れた手洗いの徹底が求められている。しかし、現状では管理者による目視でのチェックや口頭での指導などで運用している場合もあり、チェックの自動化や指導の効率化ができるシステムのニーズが高まっているという。
「Visual Wash」機器構成(蛇口ごとに、タブレット、カメラ、センサー、ICカードリーダー、LEDライトの機器を構成)
操作の流れ
Visual Washは、厚生労働省や食品等事業団体が推奨する正しい手の洗い方を基に、一連の動作を高い判定精度を確立したAIが判定する。手の洗い方の各ステップ動作をそれぞれマルかバツかで判定することで「見える化」し、手洗いの効果を大きく向上させる。手洗い判定結果を日々記録保存できるためHACCPに沿った衛生管理を実施できる。またデジタル技術を用いた衛生管理のDX化を推進し、監視員の目視確認の工数削減につながるとしている。