松岡功の一言もの申す

「これからのビジネスのやり方」について富士通社長は何を語ったか

松岡功

2023-06-01 10:34

 富士通が先頃、新たな中期経営計画を発表した。その発表会見の質疑応答で、筆者は「富士通の基本的なビジネスのやり方」について、同社 代表取締役社長CEO(最高経営責任者)の時田隆仁氏に問いただした。本稿ではそのやりとりをノーカットでお伝えする。

顧客へのきめ細かい対応が手薄になっていないか

 筆者の質問は次の通りだ。

 「富士通は今、『Fujitsu Uvance』に代表されるように、新たな装置もしくは仕組みによってビジネスを行う方向へ大きくかじを切っている。それは、市場の変化への対応やグローバルで戦っていく上で必要だと思うが、一方で、国内で培ってきた全国の顧客にきめ細かく対応する富士通本来のビジネスのやり方が手薄になってきているのではないかと、私なりの取材を通じて感じている。(コンビニ証明書交付サービスで立て続けに発生した)今回のトラブルのようなことを起こさないようにするためにも『テクノロジー企業』であることを前面に押し出す一方で、全国の顧客に対するきめ細かい『コンシェルジュのような対応』への取り組みも継続・強化していくべきではないかと考えるが、時田社長の見解をうかがいたい」

 これに対し、時田氏は次のように答えた。

写真1:富士通 代表取締役社長CEOの時田隆仁氏
写真1:富士通 代表取締役社長CEOの時田隆仁氏

 「私もそのような環境下で育ったフィールドのシステムエンジニア(SE)なので、お客さまにしっかりと寄り添い、きめ細かく対応することの大事さは、誰よりもとまでは言わないが、よく分かっているつもりだ。そのようなサービスで富士通自身がこの数十年、大きく成長してきたと思っているし、その姿勢は今も富士通の社員一人一人に備わっているという風に自負している」(写真1)

 「そうしてこれまで培ってきたものは、そう簡単に抜け落ちたり、剥がれ落ちたりするものではないと思っている。が、一方で、世の中が大きく変わってきている。それに伴って、富士通もお客さまとの関係に課題が生じてきた。当社は本来、お客さまのビジネスの成長をITの側面からご支援する立場だが、世の中の変化に対してお客さま自身が変革に取り組んでおられる中で、当社のきめ細かさが逆にお客さま自身の変革ムードを阻害しているところがあるのではないか。お客さまが自ら進めるべき変革に、当社が寄り添いすぎて悪影響を与えているのではないか。私はこの点について、大変悩ましい課題だと認識している」

 「また、昨今のさまざまなトラブルを振り返ってみても、富士通は個社ごとに対応するというビジネスよりも広域のサービス、すなわち広がるネットワークにあらゆるものがつながっていく中において、富士通の果たすべき役割がかなり変わってきているように感じる。とはいえ、私としては個社ごとにきめ細かく対応することも大事、広域のサービスをしっかりと担うことも大事で、その両立に非常に苦労しているというのが、包み隠すことのない思いだ」

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