ジェネレーティブAI(以下、生成AI)のような革新的なテクノロジーが出てくると、これまでIT分野をけん引してきたリーダーたちに「どう見ているか」と聞いてみたくなる。ということで、インターネットの普及を支えてきた一人である米Akamai Technologies(以下、Akamai) 最高経営責任者(CEO)のTom Leighton(トム・レイトン)氏に投げかけてみた。さて、どんな回答が返ってきたか。
「生成AIはさまざまな可能性を持つテクノロジー」と評価
写真1:創業25周年のメディア向けレセプションパーティーで話すAkamai Technologies CEOのTom Leighton氏
「生成AIは非常に興味深いし、さまざまな可能性を持つテクノロジーだが、社会にどんな影響をもたらすのか、何をどこまでできるのか、今後、よく見極めていく必要がある」
Leighton氏は、日本法人のアカマイ・テクノロジーズ(以下、アカマイ)が7月28日、都内で開いたAkamai創業25周年のメディア向けレセプションパーティーで、筆者が合間を縫って個別に聞いた「生成AIの見方」についての質問に対し、こう答えた(写真1)。
Akamaiの共同創業者で米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授も務めてきたLeighton氏は、経営者であるとともに応用数学と分散コンピューティングの権威でもある。同社が始めたコンテンツ配信ネットワーク(CDN)の生みの親としても知られる。そんな同氏が生成AIをどのように見ているのか。パーティーの内容とは関係ないが、直接聞くことができればとの思いもあって、招きに応じて出席した。
Akamaiは1998年8月20日に設立。厳密に言えば、間もなく25周年を迎える。だが、少し早いタイミングでこの催しを設けたのは、Leighton氏が来日したからだ。CEOとしてアジア太平洋地域を訪問した中での来日で、河野太郎デジタル相にも面会した。その際のエピソードを、パーティーでのアカマイ 職務執行者社長の日隈寛和氏とのトークセッションで披露していたので紹介しておこう。
面会した際、河野大臣が「アカマイとは『赤飯』をつくっている会社か」とジョークを飛ばしたことで、場が和んだそうだ。Leighton氏はこの話に続けて、「日本ではアカマイは確かに赤飯だ。いっそのこと、日本での社名の由来は赤飯でいいのではないかとも考えた」と語り、笑いを誘った。
その上で、同氏は社名の由来について、「Akamaiというのはハワイの言葉で、クレバーかつクールでインテリジェンスとの意味がある。さらに、アルファベット順で最初に出てくるので目立っていいと思った」と説明。ウケを狙うユーモアに富んだ人柄を感じさせた(写真2)。
写真2:日本法人社長の日隈寛和氏とのトークセッションで話すLeighton氏