調査会社のValoirは、2024年には最新の顧客データプラットフォーム(CDP)を採用する企業が増えると予想している。これは、CDPにはマーケティング以外の面でもメリットがあるという認識が企業に広がるためだという。
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この予想は、Valoirが発表した2024年の動向を予想するレポートの中の、CRMデータの活用に関する部分だ。同社は、主なCRMソリューションプロバイダーは2024年、データ統合と人工知能(AI)によって、CDPによって得られるメリットを高めることに力を入れるようになると考えている。AIとCDPを組み合わせることで得られる新たなメリットには、営業上の会話を有意義なものにすることや、データに基づく予測、担当者の手間の削減などが含まれる。
このようなデータ主導のアプローチを採用することで、営業チームや顧客サービスチームは、これまでよりも早く、インテリジェントに、かつ素早い対応が行えるようになる。
Valoirは、ほかにもさまざまな2024年のビジネスとテクノロジーに関する予想を発表している。以下ではその中からいくつかを選んで紹介する。
- EXとCXのクロスオーバー:2024年には、従業員体験(EX)と顧客体験(CX)の融合が進む。CXべンダーや人事情報システム企業は、人事情報を含むより多くのデータセットを用いることで、さまざまな関係者の体験を向上させる取り組みを強める。また、コンタクトセンター市場やワークフォースマネジメント市場の企業もこの市場に参入してくるだろう。
- 顧客や従業員の意見を集める調査の価値の低下:企業は、リアルタイムの音声分析と感情分析を使用して、重要な瞬間に顧客や従業員が何を求めているかを理解しようとするようになる。また従業員体験に関しては、定期的でパーソナライズされたタッチポイントや普段の対話から得られたデータから、その時に必要な情報を得ようとするようになる。
- AIプロジェクトが失敗する:Valoirは、2024年にはAIが大きなメリットや、生産性や、自動化をもたらすが、同時に失敗事例も表面化すると予想している。技術が成熟していないことや、適切なポリシーや手続きの欠如、不十分なトレーニングや安全対策などが原因で、重大な失敗事例が発生するだろう。
- 従業員が持つスキルの管理が進む:レポートでは、人材獲得競争が激化していることから、事業の継続と承継のために、企業は自社の優れた人材が持つスキルをきめ細かく把握する必要があると指摘している。また、AIの導入を拡大するには、どのスキルが最も自動化の影響を受けるかを認識する必要がある。さらに企業は、将来必要とされるであろう隣接スキルや次のレベルのスキルについて、どのように従業員の訓練を行っていくべきかを検討しなければならない。
- ハイブリッドワークの悪影響の顕在化:従業員に平等に昇進の機会を与えるため、ハイブリッドワークやリモートワークに関して、明確で一貫性のあるポリシーや運用ルールを定める必要が生じる。
Valoirが発表した2024年のビジネスとテクノロジーに関する予想は、同社のウェブサイトから入手できる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。