SIB、IPSA公式サイトに「Salesforce Commerce Cloud」の新技術導入--改善活動の加速へ

大場みのり (編集部)

2024-04-04 17:07

 資生堂インタラクティブビューティー(SIB)は、資生堂グループのブランド「IPSA」公式サイトに「Salesforce Commerce Cloud」の最新技術「コンポーザブルストアフロント」を採用した。セールスフォース・ジャパン(Salesforce)が4月4日に発表した。コンポーザブルストアフロントによりSIBは、顧客体験(CX)のさらなる向上を図る。

 SIBは、資生堂とアクセンチュアの合弁会社として2021年に設立された。同社は、資生堂のデジタルビジョン「Global No.1 Data-Driven Personal Skin Beauty & Wellness Company」の実現に向け、変化する顧客と市場環境に対応しながらDXを加速させ、国内の事業モデルの革新に取り組んでいる。

 資生堂グループは、セキュリティとパフォーマンスの高さ、グローバル展開で蓄積されたSalesforceの知見を評価し、グローバル標準のECサイト基盤としてCommerce Cloudを採用している。IPSA公式サイトのリニューアルプロジェクトを担うSIBは今回、アジャイルな改善とCXの向上という目標のもと、コンポーザブルストアフロントの導入を決定した。

 これまでサイト構築では、テンプレートか完全ヘッドレスのどちらかを選択しなければならなかったが、既存のテンプレートサイトを活用しながら、段階的にコンポーザブルストアフロントを利用したヘッドレス化を進めるハイブリットアプローチを採用することで、開発コストや時間を節約しながらCXの向上が可能になるという。SIBは2023年8月にコンポーザブルストアフロントの導入を開始し、2024年1月30日から本格稼働している。

 コンポーザブルストアフロントでフロントエンドとバックエンドが分離したシステムを構築することで、ヘッドレスコマースの優れた柔軟性と俊敏性が実現するとSalesforceは説明する。これによりSIBは、顧客がウェブサイトのトップページを訪れ、商品を見つけ、最終的に決済を完了するまでの一連のCXを改善できるという。

 コンポーザブルアーキテクチャーにより、バックエンドに干渉することなくフロントエンドを変更できるため、改善稼働が加速すると期待される。ユーザーインターフェース/ユーザー体験(UI/UX)を最適化することで、顧客エンゲージメントとコンバージョン率の向上が見込まれる。将来的には、Salesforceの「Einstein」といったAI機能を活用したイノベーションを加速させることを予定しているという。

 導入プロジェクトの初期段階では、IPSA公式サイトのトップページがコンポーザブルストアフロントによって構築された。今後は、主要なページを順次新技術に置き換え、ほぼ全てのページを刷新するとともに、他ブランドでの展開も視野に入れている。

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