Oracle 10g搭載カーをOracle OpenWorld会場に持ち込んだIntelのOtellini氏

山下竜大(編集部)

2005-09-20 22:46

 米Oracleがサンフランシスコで開催しているユーザーカンファレンス「Oracle OpenWorld San Francisco 2005」(OOW 2005)初日の9月19日、パートナーによる基調講演にIntel CEOであるPaul Otellini氏が登場。マルチコアプロセッサを中心としたOracleとの取り組みについて紹介した。

 Intelでは、同社が開発しているすべてのプロセッサにおいて、マルチコア化を推進している。エンタープライズ分野におけるマルチコア化されたプロセッサによるメリットをOtellini氏は、「同じ電力消費量で、これまで以上に強力なパワーを提供できることだ。これまでのプロセッサで、同じパワーを得ようとすると、ハードウェアのコストより、電力に必要なコストの方が高価になってしまう」と話す。

米Intel CEOのPaul Otellini氏

 こうしたエンタープライズ向けの取り組みの一環としてIntelでは、Oracle、EMC、Dellとともに2004年12月より、「MegaGrid」プロジェクトを実施していたが、新たにCisco Systemsが参加。今回のOOW 2005では、100ノードのグリッド環境を構築したことを紹介している。

 2003年12月に東京で開催された「OracleWorld Tokyo」では、日本オラクル、サン・マイクロシステムズ、伊藤忠テクノサイエンス(CTC)、シスコシステムズの4社がOracle 10gによる128ノードの大規模エンタープライズ・グリッドを構築し、32ノード、64ノード、128ノードでリニアなスケーラビリティを実証するデモンストレーションを行っているが、MegaGridプロジェクトでは、スケーラビリティはもちろん、負荷分散やフェールオーバー、ダイナミックなプロビジョニングなど、グリッドとして不可欠な信頼性や可用性も実現したことが特長となっている。

 また、IntelとOracleのコラボレーションによる大規模システム構築事例として、中国の企業であるShandaが運営している2000万人のユーザーが参加するオンラインゲームをIntelとOracleの技術が支えていることを紹介した。

 Otellini氏はさらに、フランスの自動車メーカーであるVenturiの最新電気自動車「Fetish」を会場に持ち込んだ。Intelは2003年にも、Fordのコンセプトスポーツカー「Ford GT40 Concept」をOOWの会場に持ち込んでいる。

 Fetishを紹介した担当者は、「この車は50万ドルしますが、購入者にはもれなくiPodを差し上げます」と話し、会場を爆笑させたが、今回、OOW 2005の会場にFetishが持ち込まれた最大の理由は、この車に「Oracle 10g Lite Edition」が搭載されていたからだ。

 Fetishでは、車の状態を常に監視し、Oracle 10g Lite Editionに情報を格納、WiMax通信機能により同社のテレマティックソリューションセンターとつなぐことで、車の状況を常に把握できる仕組みになっている。

 「このような取り組みにより、3年前に25%だったエンタープライズ分野へのIA(インテルアーキテクチャ)の採用率は50%に跳ね上っている」とOtellini氏。同氏は、「業界を変えていくことが(Intelが成長を続ける)パワーであり、(低迷していた景気の)成長は完全に復活した(Growth is Back)」と講演を締めくくった。

フランスの自動車メーカーであるVenturiの「Fetish」にはOracle 10gが搭載されている。

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