日本BEAシステムズは8月10日、同社のサービスインフラストラクチャ製品ファミリ「BEA AquaLogic」の中で、エンタープライズサービスバス(ESB)機能を提供する「BEA AquaLogic Service Bus(ALSB) 2.5J」を同日より出荷開始すると発表した。
「AquaLogic製品ファミリは、BEAのSOA戦略の中でも特に重要な位置づけだ」と話すのは、米BEA Systemsの最高マーケティング責任者 Marge Breya氏だ。同氏は、AquaLogicにはメッセージサービスやデータサービス、セキュリティサービス、ビジネスプロセス、ユーザーインタラクションなどの機能を提供する製品があるとし、中でも今回発表したESB製品が「SOAの機能拡張のための鍵となる」とした。

ALSBは、米国にて2005年7月に、日本では同8月に製品としてリリースされた。発表以前にすでに約1年に渡ってコード名「QuickSilver」としてベータテストを実施したのちの製品リリースとあって、リリース時点でのバージョン名は2.1となっていた。今回は接続製や拡張性を高めた新バージョンのリリースとなる。
ESB製品は他社からも多く出ているが、「ALSBはSOAにベストフィットしている」と、日本BEAシステムズ 営業技術本部の鷺島淳一氏は話す。その理由として同氏は、ESBに求められる要件をすべて満たしているからだとしている。その要件とは、サービスの利用者側と提供側の接続性が高いこと、その接続を仲介する変換機能が備わっており、接続されたサービスを管理、監視する機能があること、また性能や操作性に優れていることなどだ。
中でも鷺島氏は、ALSBが通常のESB製品の特徴である接続および仲介機能のみならず、エンタープライズレベルのサービスマネジメント基盤となっていることをアピールする。「ESBでは、サービス管理機能に対するニーズも高い。この両面の機能を提供しているのがALSBのユニークな点だ」と鷺島氏は述べる。
ALSB最新版で強化されたのは、旧バージョンでサポートしていたSOAP/HTTP、JMS/XAなどとの接続性に加え、EJB/RMIや、BEA Tuxedoのネイティブトランスポートをサポートしたこと、カスタムトランスポート開発キットやJMXモニタリングAPIなどで拡張性が高まったこと、ダイナミックルーティング機能やローカルトランスポート機能が備わり、複数のALSBインスタンスを分散配置することが可能となったこと、メッセージIDに基づいたルーティングやUDDIとの連携を図り、ITガバナンスが強化できることなどだ。
また、7月に日本で出荷開始したビジネスサービスレジストリ製品「BEA AquaLogic Service Registry」との連携も実現し、UDDIレジストリを登録して既存サービスのインポートやALSBプロキシサービスのパブリッシュが可能となった。
Breya氏は、「2005年夏の出荷開始からわずか半年で、ALSBはESB製品の中でナンバーワンの製品となった」と述べ、同製品がSOAの実装にあたってユーザーニーズを的確にとらえているとアピールした。