今回は、サポート技術者であるRachelが、電話をかけてきた顧客から男性技術者に電話を代わるよう頼まれたというケースを取り上げた。Rachelはこのユーザーの要求に従ったものの、彼の男性至上主義に屈することなくこの状況に対処できたのではないかという思いにとらわれた。そこでRachelは、他のTechRepublicメンバーたちにアドバイスを求めたというわけだ。
メンバーたちは彼女の声に応え、いつものように創造的なアイデアを数多く寄せてくれた。以下に彼らのアイデアをいくつか紹介することにする。
- 対応できる男性は今いないと顧客に告げる
- 顧客に対して「男性サポート担当者の手があき次第電話をおつなぎします」と告げ、20分たってから「このままお待ちいただくか、それともわたしでよければ対応しましょうか」と尋ねる
- 顧客に対して、唯一の男性技術者は昨日トレーニングを終えたばかりであり、女性であるものの自分がトレーナーだったと告げて、それでも彼に電話をつなぐかどうかを尋ねる
- 男性技術者に電話を代わる前に情報を収集しておきたいという理由にかこつけて、顧客の抱えている問題について質問した後、解決策を教える
- 顧客に対してマネージャーに電話を転送しましょうかと尋ね、彼女(マネージャー)は進んで顧客を支援してくれるだろうと伝える
- 質問への回答を自分にさせるか、窓口に1人しかいない男性技術者が電話をとることを願って電話を再度かけ直すかのいずれかを顧客に選択させる
- 技術担当者一覧から1人を選ぶよう顧客に頼んだうえで、女性の名前のみを読み上げる
Rachelは説明の中で、これはそれほど珍しいケースではないということを述べた。そこで、そういった電話をかけてくる顧客に対してチームとして対処するということが現実的になってくる。メンバーであるJim Phelps氏は「もしもわたしがRachelから電話を転送された男性技術者だったならば、Rachelには技術的な問題を解決する能力が十分にあるということを強調しようとするだろう。そのためには、最初に電話を受けた技術者に問題解決のチャンスを与えてからでないと電話を転送してはいけないという決まりだと顧客に告げることまでするだろう」という意見を寄せてくれた。
メンバーであるKpeoples氏はこのアイデアをさらに一歩先へ進めた。「わたしがとった方法は、友人である男性技術者にすぐさま電話を転送し、彼に問題を聞いてもらった後で、対応できかねるので『上級の専門技術者』に電話を転送する必要があると告げてもらって、自分に電話を転送してもらって問題を解決するというものでした」という経験談を寄せてくれた。メンバーのDpetrak氏はこれに加えて、「マネジメントからの支援も必要だ。もしも彼らが妥当だと判断する戦術に関して、ガイドラインすら提示しようとしないのであれば、そんな会社で働きたいとは思わないはずだ!」という意見を寄せてくれた。
何人かのメンバーは、技術者が顧客の要望に従い、素直に電話を転送すべきだとする意見を寄せてくれた。メンバーのComputerBabe氏は、電話をかけてきた顧客の男性至上主義に対処しようとしても、それは技術者の時間の浪費でしかないと考えている。同氏は「電話の相手に対して、あなたは適任者であると説得できたとしても、その人は『二流の』サービスを受けていると思うだろう。説得しようなんて思ってはいけない。電話を男性技術者に転送するべきだ。ある種の考え方は変えることができないのだ」という意見である。また、明白な男性至上主義に対処しようとすることは、技術者としての仕事の役割を越えていると確信しているメンバーもいる。メンバーのMcgannb氏は「技術サポート担当者は、顧客の態度を変えるために雇われているのではない」と主張している。