日本オラクルは11月6日、紡績大手の東洋紡績が「Oracle E-Business Suite」の購買調達管理機能を採用し、新調達システムを構築したことを発表した。
東洋紡では、購買調達業務において、購買情報が複数のシステムに分散しており、全社購買の実態把握に時間を要していたことや、固有の業務フローによる購買データの手入力負担、そして承認プロセスの長期化などの課題も抱えていた。
また東洋紡は2005年に、新たに発表された新経営方針「技術ストック経営」の一環としてバーゲニングパワーを最大限発揮できる戦略的購買体制の検討を開始。より戦略的な購買調達を目的に、全社の購買情報の一元管理と業務プロセスの統合を実現する新システムの構築を決定した。
新調達システムには、「Oralcle E-Business Suite」の購買管理機能「Oracle Purchasing」、調達管理機能「Oracle iProcurement」、仕入れ管理機能「Oracle Sourcing」など7機能を採用。パッケージの機能と業務モデルテンプレートが完備されていることが採用の決め手となった。
2005年12月にプロジェクトを開始し、カタログ購買から購買分析までの構築を目指した第1次フェーズは2006年4月に本番稼動し、さらに電子見積および仕入先ポータルまでを構築完了する第2次フェーズも2006年10月に本番稼動した。
新調達システムは現在、岩国事業所、犬山工場、本社で稼動している。今後、追加3拠点への導入を第3次フェーズとして2007年1月から4月にかけて展開していく予定だ。今後3年間で調達費用累計150億円削減を目指す。