MIJS企業訪問(第5回)エイジア--MIJSに期待するソフト連携と海外進出 - (page 2)

宍戸周夫(テラメディア)

2007-08-15 11:30

MIJSで全体最適を

 そのエイジアがMIJSに参加した理由は何か。理由は2つある。そのひとつは、他社のソフトとの連携だ。

 「企業で必要なソフトは、もちろん当社が提供しているような営業支援ツールだけではありません。財務会計から資産管理ソフトなど、それこそいろいろあるわけです。それを全部当社が作ることは不可能です。そこで、今後はいろいろなソフトが連携し統合されてくると思うのです。そこで、各分野のソフトベンダーが集まるこのMIJSは意義があると思いました。われわれはCRMソフトベンダーですから、多くのソフトと連携することができると考えました」(えとう氏)

 アプリケーションを大きく分ければフロントエンド系とバックエンド系となる。基幹系がバックエンド。それに対し、エイジアのソフトはフロントエンドということになる。つまり、バックエンドまでつながってこそ、同社のソフトは真価を発揮するというわけだ。エイジアは、その連携の基盤をMIJSに求めている。

 同社取締役の中西康治氏がMIJSの活動状況をこう説明する。

 「すでに技術部会では、これまで独自のノウハウであった各社アプリケーションのマスタ情報に関しても、ユーザーのメリットだけを考え、惜しみなく出し合って各社アプリケーションの統合に向けて技術討論を真剣に行っています。これまでは、各社アプリケーションのピア・ツー・ピアの連携を個別にやってきましたが、MIJSではアプリケーションごとにアダプタという概念を作り、それをつなぐことで、すべてがつながるという設計をしています。そのため、システム上の共通のマスタを公開し、標準化する作業を進めています」

 特にエイジアのフロントエンド系のCRMソリューションは、この連携が重要である。えとう氏も連携の重要性を力説する。

 「CRMは、財務会計など他のアプリケーションにつながらなくてはなりません。たとえば、ウェブから収集された見込み客が顧客に変わったときには財務のデータにつながらなくてはなりません。それら、さまざまなアプリケーションと同期してこそ、本当のCRMなのです」

 MIJSで、その全体最適化されたような根幹を作るということだ。「個々のアプリケーションが作られているテクノロジが一様ではなく、ハードルはたくさんある」(中西氏)というが、ソフト連携は多くのソフト会社の願いでもある。

中西康治氏 エイジア取締役、中西康治氏

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