NECと日本オラクルは8月27日、NECのブレードサーバシステムを用いたスケールアウト構成の大規模グリッド環境データウェアハウス(DataWareHouse:DWH)システムで、検索性能のリニアな向上を業界で初めて実証したと発表した。
この検証は、両社の戦略的パートナーシップに基づく協業の一環として実施されたもの。日本オラクルが2006年11月に開設した、グリッドを基盤に実システムに近い環境でビジネスソリューションの実証を目的とする「Oracle GRID Center」における、両社初の共同成果となる。スケールアウトとは、サーバの数を増やすことでサーバ群全体のパフォーマンスを向上させること。
今回の検証では、NECのブレードサーバシステム「SIGMABLADE-M」にCPUブレード「Express5800/120Bb-6」を8ノード搭載、Linux OS上に「Oracle Real Application Clusters(RAC)10g」と「Oracle Database 10g」の「Compress機能」を用いたDWHシステムを構成し、実施した。
検証の結果、8ノード構成が1ノード構成に比べて7.69倍の高速化を実現した。これにより、RAC 10gを用いたDWHシステムで、Database 10gの「Internode Parallel Query機能」の有効性を業界ではじめて実証するとともに、サーバ増設に伴うリニアなスケールアウトを実証した。
この実証によって、小規模構成から規模に応じてサーバを増設していくことで、大規模DWHシステムまで対応できることが確認された。両社は今後、今回の検証活動で蓄積した構築ノウハウ、チューニングノウハウを活用し、中小規模から大規模のDWHシステムの拡販、構築に向けた取り組み強化を図っていくとしている。