「このような規模の企業は、これから伸びていく成長企業と位置づけることができます。企業規模が大きくなり、上場するというときに初めて会計システムをどうしようかということではなく、企業規模が小さいうちからきちんとした会計をベースとしたERPを導入するとか、販売管理や人事/給与といった他の基幹システムと連動するような仕掛けを持っておくというようなことが必要ではないかということで、こうしたマーケットに製品を投入したわけです」
これまでのSuperStreamは、基幹会計システムであるSuperStream-CORE製品を中核に会計と人事/給与という大きく2つのシステム群で成り立っている。またそれぞれのシステムは複数のモジュールで構成。導入企業は、必要に応じてこれらのモジュールを自由に組み合わせて活用する、いわゆる“ポートフォリオ・アセンブリ”という考えで作られている。
これに対し、unoは最初から基幹会計と支払管理をパッケージ化。SSJにとっては新しい考え方に基づく、新しい市場を切り開く製品となる。導入段階で必要な機能のみを選択、その後は企業の成長や業務の拡大に合わせ、機能を拡張できるパッケージである。
常に自社の業務にフィットしたシステムを維持することができ、かつ、将来的に株式市場へ上場してもそのまま使用することが可能だ。
企業の歴史が生み出したグローバルへの進化
そのSSJにとって、MIJSの活動はメリットがありそうだ。MIJSでも多彩な活動を繰り広げているが、メインは技術部会のソフトウェア連携。マスター連携の標準化作業に参画している。
「SuperStreamはアプリケーションの一番真ん中なので、これにEAIや企業内ポータルなどを通していろいろなシステムが連携してくれればありがたいと思っています。会計システムや人事/給与システムは必要なデータがいつでもネットワーク経由で取り込めるように何でもつないでもらった方がよいわけですから」
さらに今後もMIJSに期待するところは大きい。ひとつは、基幹業務システムとの連携。「また、MIJS全体でSaaSなどの新しいビジネスシステムのモデルをどのようなアーキテクチャで展開するか、その基準を作ってもらいたい」とも考えている。
そして、MIJSも掲げるグローバル展開については独自の考えを持っている。
「私たちは、海外に出ていく日本企業および日本人に対し、どのようなサービスを行うかを考えていきたいと思っているのです。日本発のグローバルということです」
つまり、SuperStreamのビジネスをグローバルに展開するということではなく、まず日本企業が世界に広がり、それに連れてSuperStreamが自然と世界に広がるというストーリーである。
「そのグローバル化の中で、本国つまり日本との連携ということでは、商品名で漢字が使えるとか、せめて商品コードは統一されている必要があります。一方で、現地の人がSuperStreamを使うためには、英語化が必要になります。英語のソフトが日本語化されているものは数多いですが、そうではなく日本語のソフトを英語化するわけです。そして、日本のソフトが海外でも使われるということであれば、日本から現地へ行ったマネージャも二カ国語で処理できます。それがGreat Evolutionのグローバルへの進化ということです」
SSJは、もともと外資系企業として創業した。外国のソフトを日本語化して提供することを計画してきたが、結果として、日本でビジネスをするなら日本製のソフトが必要と痛感。180度方向転換して自らが日本の会計パッケージを開発し、国産ソフトとしてSuperStreamを開発したという経緯がある。
つまり、SSJは日本の企業のことを真剣に考え、外資から国産へと変身してきた会社だ。その教訓を、グローバルへの進化という言葉で実践しようとしている。