「企業システムの製品連携が避けられない時代ですので、技術部会でも積極的に活動しています。ここではトランザクション連携、マスター連携、そしてパッケージの中のログの排出やデータベース分析などの機能連携という3つのテーマを決めて、休日には合宿なども行い鋭意作業を進めています。去る2月のカンファレンスではMIJS標準規格の構想を発表したのですが、今度の11月のカンファレンスではそれぞれのテーマでの第1弾の標準規格と、それを使った製品連携デモを行う予定です」
さらにMIJSは来年度のテーマとしてSaaSのプラットフォームづくりを打ち出している。実はこれも技術部会の仕事だ。
「MIJSはパッケージベンダーの集まりですので、パッケージを買ってもらうのが仕事なわけです。つまり、お客様にパッケージを所有してもらうのですが、SaaSはパッケージを利用してもらうという形態です。所有という面では、MIJSのベンダーの製品はそれぞれトップクラスにあるわけですが、これに加えて利用という市場を作ることでお客様の選択肢が広がり、製品のすそ野を広がります。そのときに必要なのが各ソフトの連携で、われわれは技術部会でSaaSのための連携の仕組みを作ろうと考えています」
梅田氏の考えるSaaSはASPの進化系、いわば「ASP 2.0」だという。
「ASPは単独の企業がリモートでソフトウェア機能を提供するものですが、SaaSはそれが複数となっているもので、いわば1店舗ではなくモールのようなものがSaaSです。分かりやすくいえば、BtoCの世界の楽天をBtoBの世界で実現するのがSaaSです。そこで必要なのは連携の仕組みで、アダプターさえ用意すればそのモールにある多のソフトとも連携できる。そうした仕組みを作ってしまえば、それが巨大なモールのように成長し、サービスが増え、お客様もどんどんくるという状態になるわけです。それを今目指しているわけです」
梅田氏はMIJSの活動を通して、日本のソフトウェア業の将来を見据えているようだ。