このことからSASとのパートナーシップの重要性は、お分かりいただけるでしょう。重要なのは、SASのソリューションとTeradataのソリューションを両方導入している顧客からこの提携が有効であるということを学んだことです。
両社のソリューションをより緊密に連携することで、パフォーマンスや拡張性を向上させ、トータルなコストを削減することが可能です。たとえば、Warner Home Videoは、これまで36時間かかっていた分析処理を1時間に短縮しています。
--SASとの提携ではなく、買収は考えなかったのですか?
詳しくはコメントできませんが「買収ではなく提携を」という話し合いを行ってきました。
--先週、同じラスベガスでSASがカンファレンスを開催しました。そのときCEOのJim Goodnight氏がZDNet Japanのスタッフに(売らないという意思の裏返しで)「200億ドルなら売っても良い」と話したそうですが……。
それは大金ですね。まぁ、売れないもの、買えないものはありませんから(笑)。
--今後、買収するとしたらどんなテクノロジをもった会社ですか。
これまでにもいくつかの買収を行ってきました。たとえば、業務アプリケーションとTeradataを連携させるツールの会社やヘルスケア関連の会社、データモデルを構築するツールの会社などです。すべて“DWHに関連する分野の企業”というのが基本的な買収戦略になります。
今すぐに具体的な案があるわけではありませんが、分社化により我々の裁量で企業を買収することができるようになりましたので、今後も買収戦略は積極的に推進する計画です。
--日本市場をどのように見ていますか? 何か特別な戦略、投資などを考えていますか?
具体的な戦略については、吉川さん(日本テラデータ代表取締役社長、吉川幸彦氏)から聞いてもらうことにして、私からは日本市場のイメージをお話しします。
日本市場のイメージをひと言でいえば「超大企業が数多くある」ということです。Teradataのビジネスとしても、経済規模でも、世界第2位の国が日本です。この超大企業に、いかにTeradataという会社や製品に興味を持ってもらえるかがポイントだと思っています。
すべての企業がそうではありませんが、日本の企業の多くはシステム構築に対して保守的です。変化に対する抵抗が強いように感じます。そこで、このような保守的な企業に対し、いかにTeradataの有効性を理解してもらい、EDWの実現にTeradataを採用してもらえるかがビジネスの成功の鍵になります。
日本に限らず、変化が必要だということを“頭では分かっていても行動できない(Insights without Action)”企業が多いのです。ですから、“考えたことを行動にうつせる(Insights into Action:2007 Teradata Partnersのテーマ)”ようにするための選択肢を我々が提供していきたいと思っています。