GWTでJavaScriptを書かないAjax開発--第3回:国際化対応コンテンツの作成

沖林正紀

2007-10-31 07:00

 第1回でGoogle Web Toolkit(GWT)を用いたアプリケーション構築の全体的な流れを紹介したが、その中で国際化対応について少し述べた。それは、ソースコードに日本語が含まれている場合、文字コードがUTF-8でないとWebコンテンツが文字化けすることがあるというものだ。

 Ajaxアプリケーションの構築においては、少なからず文字化けの問題に遭遇する。たとえばJavaScriptのXMLHttpRequestを用いたデータ通信では、文字コードをUTF-8に統一しておいたほうが良いといったことだ。GWTにおいても、この問題は避けて通ることができないのが実情だ。

 そこで今回は、日本語を用いた国際化対応コンテンツを作成する方法を紹介したい。本当はすぐにウィジェットを表示させたいところだが、Webブラウザの表示が文字化けを起こしていては、全く意味がないからだ。見栄えのしないテーマではあるが、今後のためにここはお付き合い願いたい。

文字化けを改善する方法

 先述の通り、表示内容に日本語が含まれたソースコードを作成する場合、文字コードをUTF-8にしておけば、手っ取り早く文字化けを改善できる。

 図1と図2は、後述するコマンドにより生成された雛形に、同じ日本語を混ぜてみた例。筆者のWindows環境でソースコードをシフトJISで保存すると、図1のように文字化けしてしまう。これをUTF-8で保存すれば図2のように改善される。

図1 図1 文字化けしてしまった例
図2 図2 文字化けを改善した例

国際化対応のインタフェース

 そうはいっても、開発環境の関係などから文字コードをUTF-8に変えられないこともあるだろう。その場合は、プロパティファイルから各国語(ロケール)に対応したメッセージを取得するようにしなくてはならない。このあたりはJavaの国際化対応に似たところがある。

 それとGWTとの違いは、メッセージに可変部分があるかないかによって継承するインタフェースが異なり、それぞれに対応するプロパティファイルが必要となること。そのインタフェースとは、以下の2つだ。

  • Constants - 可変部分がないメニュー表示
  • Messages - エラーメッセージなど、可変部分がある場合

(※どちらもcom.google.gwt.i18n.clientパッケージに属する)

 ここからはConstantsの場合について、日本語をデフォルトロケールとするプロパティファイルの生成から、アプリケーションへの組み込みまでの手順を紹介する。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  4. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  5. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]