SAPジャパンは2月6日、2007年度の業績と2008年度のビジネス展開に関する説明会を開催した。2008年度、同社はパートナーエコシステムを推進し、顧客にフォーカスしたビジネスを展開。ビジネス基盤のさらなる拡大を目指している。
2007年度におけるSAPジャパンの業績は、売り上げが対前年比14%増の717億7000万円で、その内ソフトウェア関連が対前年比21%増の539億3000万円。グローバルの売り上げが対前年比13%増の1兆6318億円で、その内ソフトウェア関連が対前年比17%増の1兆1784億円に比べ日本市場の成長率が高くなっている。
業績が好調な理由として、同社が推進するエンタープライズSOAおよびビジネスプロセスプラットフォーム(BPP)のビジネスが2.3倍に、GRC(ガバナンス、リスク&コンプライアンス)およびCPM(コーポレートパフォーマンス管理)のビジネスが3.8倍に拡大したことが挙げられた。
SAPジャパンの代表取締役社長兼CEOである八剱洋一郎氏は、「NetWeaverを中核とした新規ビジネスエリアが拡大している。これまでのビジネスは“すべてをSAP製品で……”というものだったが、パートナーと協力し、NetWeaverを中心に良いものは組み合わせるという方向転換が功を奏している」と話す。
また、SAP認定コンサルタントが1882名増えて1万1123名になったほか、JSUG(日本SAPユーザー会)メンバーが79社増えて403社に増えたことも好調なビジネスを支える要因のひとつとなっている。
さらに製品面では、CRM製品の最新版「SAP CRM2007」やERPの最新版「SAP ERP6.0」、Microsoftとの連携製品「Duet」など、新しい製品もリリース。エンタープライズSOAの浸透、パートナー企業の専任組織の設置、中小規模の企業向け戦略なども業績に貢献している。
2008年度は、まずパートナーエコシステムを推進。新規パートナーの開拓やSAP技術者のさらなる育成により、エンタープライズSOAへの対応力を強化する計画だ。また、顧客にフォーカスしたビジネスを展開。カスタマーイノベーションセンターやCS経営推進室などを開設し、顧客満足度の向上を目指している。
八剱氏は、「カスタマーイノベーションセンターでは、これまで“締め請求”や“帳合”“賞味期限管理”などの機能を独本社と実現した。今後もSAPの標準ソリューションのより一層の日本化を目指す。また、パートナーとの協力により、コンポジットアプリケーションを推進し、新しいビジネスモデルを確立する」と話す。
さらにSAPが2007年10月に68億ドルで買収したBusinessObjectsの統合も、今後のビジネスの拡大において重要な戦略のひとつになる。八剱氏は、「BusinessObjectsの統合により、ビジネスユーザー向けのソリューションを展開することが可能。エンタープライズアプリケーションの領域を倍に拡大することができる」と話している。
