Echoes:電話番号を捨てようとするMSの大計画

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:菊地千枝子

2008-05-31 05:19

 筆者はMicrosoftのBill Gates会長が電話番号の終焉にむけたビジョンを語っていた2つのスピーチの原稿をみて頭を悩ませていた。しかし本日ようやく、Microsoftによる通信事業者のための「Echoes」サービスプラットフォームのことをもっと知り、Gates氏とMicrosoftがこれをどうやって実現しようと思っているのかについて考えがまとまってきた。

 以下はGates会長が5月初旬に日本で行ったスピーチの原稿のひとつだ:

 「今のところ、携帯電話、デスクトップ電話、PC上の電子メールまたはインスタントメッセージングと、これらはどれも全く異なるものであり、自分の情報やスケジュール、現在の活動について、どの程度をコミュニケートしている人々と共有するかという問題があまりうまくデザインされていない…。こうしたあらゆる種類のコミュニケーションをひとつにまとめることで、いちだんとシンプル化を図ることができる。われわれは電話番号を捨てることができる、そして自分が誰かに連絡したいときに、自分が誰で、その相手がどこにいるかに応じて、そうしたいといえば、そうすることができる。電話を受けるかメッセージを受けるかを決めることができる。そのために大いなる効率性の改善が可能となるのである。」(太字で強調したのは私だ。)

 それではMicrosoftはどのようにして電話番号を捨てようというのか?最初にEchoesについて耳打ちした筋と同じところから得た概要はこうだ:

 「Echoes Wave 1」をはじめとして――これは通信事業者に対するMicrosoftのサービスプラットフォームの第1段であり今夏に登場する予定だ――Microsoftは連絡先をシンクロナイズする計画である。換言するとLive Messengerの連絡先は携帯電話ユーザーのアドレスブックに表示されるようになる(携帯事業者がEchoesを採用していれば)。この連絡先はWindows Live Messenger経由でシンクされるため、重複は削除される。

 Messengerの連絡先は自動的にユーザーの電話のアドレスブックに表示されるため、ユーザーはLive Messengerの連絡先の電話番号のどれかを知らなくても、そこに電話をかけることができる。電話番号には同時に複数のデバイスやシステムに発信することができる。他方で、EchoesはインスタントメッセージングからSMSへの連続性を確保するのを助ける。ユーザーはIMをいずれの携帯電話の連絡先に対しても送信し、それを受けた連絡先はテキストメッセージで返答することができる。

 それではEchoesはどうやってこのマジックをやってのけるのか?同筋の説明は以下の通りである:

1.Echoesは各Windows Liveの連絡先にローカル携帯電話番号を割り当てる。

2.EchoesはそのAddress Bookシンク機能を経由して、これらの新連絡先を全ての携帯電話(クライアントは不要)にプッシュ配信する。

3.ユーザーはこれらの連絡先にSMSを作成するか音声通話を発信することができるようになる。

4.Echoesはテキストメッセージがチャットの会話としてWindows Liveの連絡先に配布されるよう確保する。返信はSMSとしてMessengerから送り返される。

5.音声通話はEchoesを通して携帯電話からWindows Live MessengerのユーザーのPCに直接接続されることができる。

6. (Echoesのクライアントエミュレーションサーバを使うことにより)携帯得電話ユーザーは仲間に対して常に「オンライン」であるように見えるため、Windows Liveクラウドから会話をスタートすることもできる。これはSMSとして携帯電話にプッシュされる。

 さて読者はどう思うか?Microsoftの計画は実現可能にみえるか?これは今後数年内に(Microsoftが通信事業者にEchoesの機能をプッシュするように奨励する時期)使ってみたいと思うようなものか?

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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